イベント
2020.12.14
<東京>ちひろ美術館・東京「子どもの心を見つめて いわさきちひろ展」に行ってきました。
世界初の絵本美術館として開館し、
いわさきちひろさんや世界の絵本作家の作品を所蔵・展示する「ちひろ美術館・東京」。
12月のはじめ、開催中の「子どもの心を見つめて いわさきちひろ展」と題した企画展を、童心社スタッフが訪れました。
いわさきちひろさんが最後の22年間を過ごした自宅兼アトリエの跡に建てられた、こちらの美術館。
閑静な住宅街の中で、緑に囲まれ落ち着いた佇まいです。
本展では、今年刊行50周年、累計部数200万部という大きな節目を迎えた『おふろでちゃぷちゃぷ』(松谷みよ子・ぶん)の原画・複製画(ピエゾグラフ)や、『あかまんまとうげ』(岩崎京子・文)の複製画が展示されています。
1970年に刊行されて以来、“あかちゃんがおふろが好きになる本”として愛され続けている『おふろでちゃぷちゃぷ』。
本展では、「 まって まって いま ズボン ぬいだとこ 」や「 いま パンツ ぬいだとこ わーい はだかんぼだーい 」、そして
タオルをもったあひるちゃんのシーンの原画を、半世紀の時を超えて味わうことができます。
ほっぺや指先、ひざこぞうに赤みがさしたあかちゃんは、みずみずしい生命力にあふれています。
「清潔ですべすべして、むちむちしたはだかのあかちゃん」(※1)を描ける画家として、作者の松谷みよ子さんの頭に浮かんだという、いわさきちひろさん。いわさきちひろさんは、あかちゃんの月齢までも、描き分けることができたそうです。
ともに子育てを経験した母同士でもあった松谷さんといわさきさん。できあがった原画を並べておふたりで議論した日のことを、松谷さんは「美しかった。ゆたかだった。」(※2)とのちに書いています。
いわさきちひろさんが大きな愛で見つめ、描き続けた子どもの姿をぜひご覧ください。
※1、2…童心社定期刊行物「母のひろば」74号(1970.7.15)より
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おふろでちゃぷちゃぷ
あひるちゃん どこいくの
いいとこ いいとこ
あれ? タオルをもった
ねえ どこいくの?
いいとこ いいとこ
せっけんとタオルを持ったあひるちゃんが向かった「いいとこ」は、おふろでした!
はやく おいでー
いっとうしょうは だあれ
あひるちゃんの言葉に、いそいで服をぬいでいく男の子。ふたりいっしょに、楽しいおふろの時間です。
最後は、
あたま あらって きゅーぴーさん
おふろに入る楽しさをあかちゃんにやさしく伝えてくれる本作。画家いわさきちひろさんによって、おふろに入る男の子が愛らしくいきいきと描かれています。
「この本でおふろが大好きになりました!」
読者の方からそんな感想を多くいただいている、190万部をこえるロングセラーあかちゃん絵本です。
ごはんにおふろに寝かしつけにと、お父さんお母さんにとってあわただしい夜の時間に、笑顔がふえる1冊です。- 0・1歳~
- 1970年5月5日初版
- 定価770円 (本体700円+税10%)
- 立ち読み