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2020.09.28
<ニュース>アーサー・ビナードさんが「谷本清平和賞」を受賞しました。

9月28日、詩人のアーサー・ビナードさんが、「谷本清平和賞」を受賞したことが発表されました。
谷本清さんは広島で被爆した牧師であり、戦後、被爆者の救援と平和運動に尽力した人物です。
谷本さんが亡くなった翌年、1987年に公益財団法人ヒロシマ・ピース・センターによって「谷本清平和賞」が創設。これまでに「はだしのゲン」シリーズ作者の中沢啓治さんや女優の吉永小百合さんなどが受賞してきました。
第32回「谷本清平和賞」に選ばれたアーサー・ビナードさんは、広島で原爆に遭ったモノたちが語る写真絵本『さがしています』、そして丸木俊さんと丸木位里さんが描いた大連作「原爆の図」をもとにした紙芝居『ちっちゃい こえ』を生み出しました。ヒロシマを再発見できる多くの作品が今回評価されました。
受賞に際し、アーサー・ビナードさんはコメントを寄せています。
文学を作るためにも、平和を作るためにも、リスクを恐れず多種多様な人間と深くつながることが大切である。
これまでぼくは多くの先輩に受け入れられ包み込まれ、たくさんの仲間と濃厚接触を繰り返しながら詩作や絵本作りをおこなってきた。
「感染症予防」が最優先される社会においては、人びとのつながりが希薄になり、ますます困難だ。
けれど、幾度となく大胆にリスクを背負い、命がけで平和作りに挑んだ谷本清牧師を思い起こせば、進むべき方向が見えてくる。
この時期に道しるべを渡していただけたことに、心から感謝しています。
アーサー・ビナード 2020年9月
11月8日(日)には、広島市内で授賞式が予定されています。
公益財団法人 ヒロシマ・ピース・センター
https://www.hiroshima-peace-center.jp/peace_award/
1946年、ジョン・ハーシーがアメリカで出版した『HIROSHIMA』は広島の人びとの体験を初めて世界に伝えた本。谷本清さんはその本に取り上げられた主役であり、のちに翻訳者として日本語版も世に出しました。【写真左:原書 右:日本語版】
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ちっちゃい こえ
アーサー・ビナード 脚本/丸木俊・丸木位里 絵/「原爆の図」より
ネコが語ります。家族のこと。命をつくりつづける、体の中のちっちゃい声のこと。ヒロシマのこと…。わたしたちはどうすれば生きていけるのか? 美しい絵から響いてくるそのこたえに、一人ひとり耳をすます紙芝居。
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