2020.07.13

〈新刊絵本〉広がっていく、いのちの輝き『みどりのほし』

今月刊行された、林木林さんと、長谷川義史さんによる話題の新刊絵本『みどりのほし』をご紹介します。

 きょうは なんだか つまんない
 ひとりで いたい きぶんなんだ

そんな日が、だれにだってあるのではないでしょうか。
でも、ちょっとした発見が、心をてらしてくれることもあります。

 男の子が、ふと目にしたのは、お月さまみたいにまあるい夏みかん。

  「あっ なつみかんの てっぺんに
   みどりのほし みぃつけた」

ほかにも さがしてみると……

 「トマト  ピーマン ししとう
  みんな ほしの かんむり かぶってる
  みどりのほしで うまれた しるし」

ほかにもいろんなほしをみつけたぼくは、ぐんぐん想像を広げていきます。


ながれぼしをおいかけて、あまのがわをはしり、
草の上で大の字になって、ほしと手をつないでねそべったぼく。
ぼくもほしなんだ……。


男の子がみつけた「みどりのほし」は、心の目でみつけた、身の回りの自然に宿るちいさな命の輝きでもあります。
最後に見つけたほしは、緑の上で大の字になった「ぼく」と、ともだち。
「ぼくたちは みんな ほしの こども」という言葉が胸にひびきます。






詩人である林さんならではのみずみずしい発想と言葉から広がる世界が、長谷川さんののびやかな絵とあわせて、心の中にどこまでも広がっていきます。
ぜひ声に出して子どもたちと一緒に実感してみてください。

32ページ/4・5歳から
(林木林・作 長谷川義史・絵)
みどりのほし

童心社の絵本

みどりのほし

林木林 作/長谷川義史

なんだかつまんない日、ぼくはふと、テーブルの夏みかんをみる。「あっ、なつみかんのてっぺんに、みどりのほし、みぃつけた」やさいにも花にもみつけた、みどりのほし、ほし、ほし! 葉っぱのながれぼしを追いかけて走ったぼくは、草の上で大の字になってともだちと手をつなぐ。ぼくたちはみんなほしのこども…。
林木林さんのみずみずしい言葉と、長谷川義史さんののびやかな絵で描かれる、小さな発見から大きく広がる心の世界。

  • 3歳~
  • 2020年7月10日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み