〈連載・今よみたい1冊〉初めて友だちができた喜び『こぎつねコンとこだぬきポン』

毎月1回、連載で季節にあった絵本をご紹介しています。
第2回は、冬の花つばきが登場する、この季節におすすめの読むと心もあたたかくなるロングセラー絵本です。

つばき山の子ぎつねのコンと、隣の杉の木山に住む子だぬきのポン。
いっしょにあそぶ友だちがひとりもいなかった2人は、ある日、偶然川をはさんで、おたがいを見つけます。
川をはさんでいっしょに歌を歌った2人。
誰かと一緒にあそぶのって、なんて楽しいんでしょう!

けれど、つばき山のきつねと杉の木山のたぬきは、昔からお互いを恐れていがみあっていて、お互い出会うこともありません。
川ごしに遊んだことを話したふたりは、お父さん、お母さんにひどく怒られますが、翌日やっぱり川をはさんで遊んでしまいます。
これを知ったお父さんとお母さんは、それぞれ相手にだまされないよう、ふたりに化け方を教えます。

ところがある日、嵐で杉の木山の崖の木がたおれ、つばき山へ川をわたして届く橋になりますが……。

お互いを知らないまま憎みあっていたきつねとたぬきの一家が、子どもたちを通じて最後には心を通わすハッピーエンドに。
私たち大人の偏見についても考えさせられるお話です。

47ページ、4・5歳から。少し長めのお話ですが、お互いに化け合った二人が入れ替わるなど、ドキドキの展開も楽しく、人形劇や児童劇としても、各地で演じられ、広く楽しまれている作品です。

子どもの「友だちがほしい」思いや、はじめて友だちができた喜びなど、いつの時代も変わらない子どもの心に向き合った、傑作絵本です。

(松野正子 文/二俣英五郎 画)

こぎつねコンとこだぬきポン

童心社の絵本

こぎつねコンとこだぬきポン

松野 正子 文/二俣 英五郎

こっちの山にはコン、むこうの山にはポン。二人とも友だちがほしくてたまりません。

  • 3歳~
  • 1977年9月1日初版
  • 定価1,650円 (税込)
  • 立ち読み