今年絵本作家デビュー５０周年を迎え、幅広い世代から人気のせなけいこさん。
今月刊行された、あかちゃん絵本『いらっしゃい』をご紹介します。

「いらっしゃい　いらっしゃい」

はちまきをした男の子が、バナナを手にこちらにむかって元気によんでいます。
なにやさんかな？

ページをめくると、画面いっぱいにならんだ、たくさんのやさいやくだものがいっぱい！

「にんじん、りんご、きゅうり。いろいろあるよ。どれがいい？　
　まいどあり！」

やおやさんの次には、前掛けをした男の子が、おさかなを並べて元気によんでいます。

「いらっしゃい　いらっしゃい！」
なにやさんかな？
……

おみせやさんごっこが題材の本作。
リズミカルな文章とともに、やおやさん、さかなやさん、ようふくやさん、おかしやさんの４つのおみせが登場します。

なんといっても魅力的なのは、おみせの品として登場する、せなけいこさんの色とりどりのかわいい絵！

あかちゃん絵本といえば、シンプルな絵のものがほとんど。
でもじつは、あかちゃんは、たくさんのものを見て、お気に入りのものを探すのも大好きです。
この絵本は、あかちゃんがカタログやちらしに並んでいるものをじーっと見たり、手をのばしたりしている姿にヒントを得て作られ、あかちゃん絵本の常識をくつがえす、絵がいっぱい！　の絵本になりました。

1歳前後から、おみせやさんごっこを実際に楽しむ3歳前後まで、長く楽しめるあかちゃん絵本です。
（せなけいこ/さく・え）