シートン動物記

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

今までの「シートン動物記」と、ここが違います!

1. シートン自身の絵を生かした作品構成です!
実は、シートンは美術学校を卒業したプロの画家。このシリーズでは、シートンによる100点近いイラストカットを各巻に収録。シートン動物記は、シートン自身の物語と絵の両方あってはじめて本来のシートン作品といえるのです。

2. 完訳版だからこそ伝わる真の動物たちの姿!
シートン作品は、すべてが事実に基づいたもの。事実に基づいた物語だからこそ、動物学的発見が随所にちりばめられていています。シートンが大切に考えていた野生動物の個性や生き方を、長年にわたってシートン研究を重ねている動物学者・今泉吉晴氏がわかりやすく、読みやすい物語に訳しました。

3. 豊富な解説と、日本初出典のエピソードも!
子どもたちにもわかりやすく丁寧な解説を、各巻に約40~70頁収録。物語の背景となった社会や、動物たちの習性、シートンの思想などを、Q&A形式でわかりやすく解説しています。また、このシリーズでは今までの「シートン動物記」で公開されていないエピソードも収録。初めて明らかになった事実をふまえ、シートンが伝えたかった動物たちの本当の姿を楽しむことができます。

なぜ今、シートン動物記なのか
このシリーズは、野生動物の物語というだけでなく、人間が自然と共生する生き方の提示になっています。「人間と動物は種がちがうだけで同じ」と語っていたシートンは、それぞれの生きる権利について真剣に考えていました。生きるとは自分をつくること、自分らしさ=個性をつくること。2010年は、シートンが誕生してから150周年の記念の年になります。シートン動物記が語る、自然界に生きる野性動物の生き方、個性を感じ取って、自分自身の生き方や、今の日本の環境などを考えてほしいと願っています。

  • 判型:四六判
  • 小学5・6年~
  • NDC:933

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シートンは、動物物語の作者であるだけでなく、動物学へ多くの影響を与え、また、環境教育の先駆者でもあります。シートンをきちんととらえて訳されたこの物語は、人間と自然とがどう共存していくのかという視点で描かれており、現代に通じる思想がたくさんちりばめられています。


静岡新聞(夕刊)2010年5月24日 訳者・今泉吉晴さんインタビュー記事より
ー野生というと本能で行動することと語られがちだが、「危険を察知したら避け、意志や見通しを持てる。一人前に育つ仕組みをもっているというのが出発点。今の学者が忘れている視点です。」
例えば、ロボの物語は単なる英雄伝ではなく、経験を積んで罠を見破り、群れに伝える一面を描く。母ウサギは息子のラグに、何が危険か見分けるすべを身をもって教える。「自然な心を育てるには、動物の知恵が参考になるというメッセージが随所にある」
ー「動物の豊かな暮らしがどのように失われたか、シートンの膨大な記録によって滅んでいく生態が分かる。開拓によって先住民と動物は自由な生活を奪われた。物語の背景に大破壊への抗議がある」

内容説明

今までの「シートン動物記」と、ここが違います!

1. シートン自身の絵を生かした作品構成です!
実は、シートンは美術学校を卒業したプロの画家。このシリーズでは、シートンによる100点近いイラストカットを各巻に収録。シートン動物記は、シートン自身の物語と絵の両方あってはじめて本来のシートン作品といえるのです。

2. 完訳版だからこそ伝わる真の動物たちの姿!
シートン作品は、すべてが事実に基づいたもの。事実に基づいた物語だからこそ、動物学的発見が随所にちりばめられていています。シートンが大切に考えていた野生動物の個性や生き方を、長年にわたってシートン研究を重ねている動物学者・今泉吉晴氏がわかりやすく、読みやすい物語に訳しました。

3. 豊富な解説と、日本初出典のエピソードも!
子どもたちにもわかりやすく丁寧な解説を、各巻に約40~70頁収録。物語の背景となった社会や、動物たちの習性、シートンの思想などを、Q&A形式でわかりやすく解説しています。また、このシリーズでは今までの「シートン動物記」で公開されていないエピソードも収録。初めて明らかになった事実をふまえ、シートンが伝えたかった動物たちの本当の姿を楽しむことができます。

なぜ今、シートン動物記なのか
このシリーズは、野生動物の物語というだけでなく、人間が自然と共生する生き方の提示になっています。「人間と動物は種がちがうだけで同じ」と語っていたシートンは、それぞれの生きる権利について真剣に考えていました。生きるとは自分をつくること、自分らしさ=個性をつくること。2010年は、シートンが誕生してから150周年の記念の年になります。シートン動物記が語る、自然界に生きる野性動物の生き方、個性を感じ取って、自分自身の生き方や、今の日本の環境などを考えてほしいと願っています。

オオカミ王 ロボ

シートン動物記

オオカミ王 ロボ

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

シートンがアメリカ・ニューメキシコのクルンパを支配するオオカミのロボに挑んだ壮絶な物語。シートンは、メスのオオカミ・ブランカに対するロボの深い愛情に感動と後悔を抱く。新しいシートン動物記第1弾!

  • 小学5・6年~
  • 2010年2月10日初版
  • 定価1,210円 (本体1,100円+税10%)
  • 立ち読み
わたしの愛犬 ビンゴ

シートン動物記

わたしの愛犬 ビンゴ

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

カナダで出会った子イヌのビンゴは、シートンが動物を見つめる原点になったイヌでした。ビンゴは、シートンが罠にはさまれた窮地から、知恵と愛情を持って、救い出します! 躍動感あふれるシートン動物記第2弾!

  • 小学5・6年~
  • 2010年2月10日初版
  • 定価1,210円 (本体1,100円+税10%)
  • 立ち読み
  • 在庫品切・重版未定
ワタオウサギの ラグ

シートン動物記

ワタオウサギの ラグ

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

ウサギのラグは、お母さんから生きる知恵を教えられます。ところが、知恵を守らなかった時、ラグに危険が迫ります! シートンが出会ったたくさんの動物たちの中で、もっとも尊敬していたのが、ラグのお母さん、モリーだったのです。新しい視点のシートン動物記第3弾。

  • 小学5・6年~
  • 2010年3月10日初版
  • 定価1,210円 (本体1,100円+税10%)
  • 立ち読み
  • 在庫品切・重版未定
銀ギツネの ドミノ

シートン動物記

銀ギツネの ドミノ

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

7ひきの兄弟の中でも目立つ動きをする子ギツネは、ドミノと名づけられました。大人になるに連れて、最高級の毛並みのシルバーフォックスに成長したドミノは、たえず猟師や猟犬から追われることになります。野生のキツネの知恵と勇気、走る能力のすばらしさを語ります!

  • 小学5・6年~
  • 2010年3月15日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み
  • 在庫品切・重版未定
リスの バナーテイル

シートン動物記

リスの バナーテイル

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

母リスを殺されたバナーテイルは、農場のネコに育てられました。農場の納屋が火事でなくなり、とつぜん、ひとりぼっちで森にほうりだされたバナーテイルは、食べ物のこと、敵から身を守ることなど、ひとりで学びました。そうして冬を越し、シルバーグレイと恋をします!

  • 小学5・6年~
  • 2010年3月15日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み
  • 在庫品切・重版未定
子グマの ジョニー

シートン動物記

子グマの ジョニー

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

国立公園で食べ物に不自由なく育てられたジョニーは、クマ王国の王子のようにわがままであまえんぼう。ある日、母グマから見捨てられ、体調をくずして……。野生動物と人間とのあり方を問う物語。

  • 小学5・6年~
  • 2010年7月20日初版
  • 定価1,210円 (本体1,100円+税10%)
  • 立ち読み
  • 在庫品切・重版未定
野生のヒツジ クラッグ

シートン動物記

野生のヒツジ クラッグ

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

ロッキー山脈にすむ、大きな角のヒツジ、クラッグは、オオカミをも倒す技を持っていました。それを見た人の心に深い感銘を与えます。ところが、しつような猟師に追われ……。

  • 小学5・6年~
  • 2010年9月1日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み
  • 在庫品切・重版未定
イノシシの勇者 フォーミィ

シートン動物記

イノシシの勇者 フォーミィ

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

クロクマに母と兄弟を殺されたフォーミィは、13歳の少女リゼットに育てられました。ある時、少女がガラガラヘビに襲われ、指笛を吹くと、危険を察知したフォーミィが駆けつけ、ぶじにリゼットを助けたのです!

  • 小学5・6年~
  • 2010年10月1日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み
  • 在庫品切・重版未定
カラスの シルバースポット

シートン動物記

カラスの シルバースポット

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

カナダのトロントに渡ってきて、郊外のマツの森をねぐらにしていたカラスの群れのリーダー、シルバースポットは、知恵を伝える通信システムをもち、仲間を守っていた。

  • 小学5・6年~
  • 2010年11月1日初版
  • 定価1,210円 (本体1,100円+税10%)
  • 在庫品切・重版未定
クマ王 モナーク

シートン動物記

クマ王 モナーク

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

カリフォルニア州最後のグリズリー、モナークは、母を失った子ども時代、「ジャック」と名付けられ、人間に飼われていました。ある時、人から逃亡し、野生をきたえ、後にクマ王とよばれるようになりますが……。

  • 小学5・6年~
  • 2010年11月30日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 在庫品切・重版未定
大草原のウマ ペイサー

シートン動物記

大草原のウマ ペイサー

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

アメリカ西部、ニューメキシコの大草原に生まれた、美しい野生のウマ・ペイサー。野生のウマを調教するのは難しいとわかっているカウボーイ達さえ魅了されてしまいます。ペイサーは、たぐいまれな俊足のおかげで自由を守ろうとしますが…。シートンが、「オオカミ王ロボ」と同時期に出会った、野生動物のヒーローです。

  • 小学5・6年~
  • 2011年4月1日初版
  • 定価1,210円 (本体1,100円+税10%)
  • 在庫品切・重版未定
コウモリの妖精 アタラファ

シートン動物記

コウモリの妖精 アタラファ

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

ニューヨーク州マーシー山にある、ビーバーの谷で生まれたアタラファ。母親にしっかりと学んで、一人前に成長していきます。南の国への渡ったり、少年の銃でとらえられそうになったり、タカの目の前をかすめとんで仲間をたすけるなど、さまざまな冒険がまちうけていました。「翼に目のある妖精」とも呼ばれるコウモリは、病原菌をはこぶ虫を大量に食べて生きる環境指標動物です。

  • 小学5・6年~
  • 2011年5月20日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 在庫品切・重版未定
アライグマの ワイアッチャ

シートン動物記

アライグマの ワイアッチャ

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

4月に生まれたワイアッチャは、兄弟と一緒にすくすく大きくなりました。ある日、おかあさんのお手本を見ながら、どろをさぐり、オタマジャクシをつかまえました。兄弟でいちばん早く、アライグマの狩りの仕方を覚えたのです。ところが、おかあさんのいうことをきかなかったために、わな猟師につかまえられて……。

  • 小学5・6年~
  • 2011年7月15日初版
  • 定価1,210円 (本体1,100円+税10%)
  • 在庫品切・重版未定
下町のネコ キティ

シートン動物記

下町のネコ キティ

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

舞台は19世紀末のニューヨーク。港町の裏通りでうまれた子ネコ、キティは、ひとりで育ち、野生を身につけていきますが、美しい毛並みに目をつけられ、小鳥店の主人につかまります。ショーに出され、そこで優勝し、金持ちに引きとられていい暮らしをするのですが……。キティは、自由を求めて脱出し、生まれ故郷に戻ります。ネコがネコらしく自分をどう育てるか、その生きざまを描く物語。

  • 小学5・6年~
  • 2011年9月15日初版
  • 定価1,210円 (本体1,100円+税10%)
  • 在庫品切・重版未定
サンドヒルのシカ スタッグ

シートン動物記

サンドヒルのシカ スタッグ

アーネスト・T・シートン 文・絵/今泉吉晴 訳・解説

カナダのマニトバ州で、10代のおわりにシートンが出会ったのは、美しい雄のミュールジカのスタッグ。その足あとを追っていけば、スタッグに会えると思ったシートンは、雪の中、追跡をはじめます。ところが、オオカミが、シートンを獲物としてねらっていました! また、別の時には、スタッグを追う人間の足あとを見つけます。それが、先住民族チャスカとの出会いでした。シートンは、チャスカから、森の技と先住民族の思想を学びます。スタッグとの出会いで、シートンは、シカの跳躍力のすばらしさを知り、パートナーへの愛の深さを知り、結局スタッグを仕留めることができなくなります。

  • 小学5・6年~
  • 2011年11月15日初版
  • 定価1,320円 (本体1,200円+税10%)
  • 立ち読み
  • 在庫品切・重版未定

推薦のことば

今日の私たちを励ます「シートン動物記」 2012年1月15日
 この冬、私は今泉吉晴訳の「シートン動物記」全十五巻を夢中になって読みました。たくさんのことを考えるようになりましたが、何よりも、その動物記の全体が、猟師たちから聞いたことも含め、シートンの観察、研究の成果に立脚して描かれているということを、はっきり意識することができました。このことは、シートン自身のことばからも、またその叙述内容や多くのスケッチ、絵画、写真からも推量されるのですが、動物学者である今泉氏が、各巻ごとに豊富な知見を提供して裏づけてくれてもいます。
 一つひとつの作品がそれぞれに独立したメッセージをもっていて読む楽しさは尽きないのですが、シートンは、「似ているようにみえる動物も、一頭一頭がちがうのはほとんど確実でしょう」(『子グマのジョニー』)と記しているように、動物を「個性」的なものとして観察しています。そして名前をもって観察される個体が、動物自身の資質に拠りながら、学習を重ね、個性的に「知恵」を形成し生きていくさまを明らかにしていきます。このような個性理解にまで及ぶ観察・研究をとおして、それぞれの野生動物(wild animals)の本当のよさ(善さ)=普遍性を遺憾なく描いてくれています。
 シートンの観察力はすばらしいもので、たとえば残された動物の「足跡」の状況から、そこで起きた出来事、さらには動物たちの心理・感情までを読み取っていきます。どの作品からも、シートンの観察力と想像力との本質的な相互の関係が見えてきます。
 同時にシートンの観察の目は、自分自身、そして人間社会にも向けられています。『オオカミ王 ロボ』、『サンドヒルのシカ スタッグ』などは、野生動物の「善さ」を感受したシートン自身の魂の目覚めを見事に記しています。『野生のヒツジ クラッグ』は、ヒューマニティ(人間性)についての問いを読者の心の内に喚起させます。>br> このようにシートンは、動物と人間を分かちがたいものとして理解することの深い意味を明らかにしてくれました。シートンが残してくれた記録と作品は、今日の私たちを暗黙のうちに縛り付けているさまざまな「偏見」に気づかせてくれます。
 私はシートン動物記を読み終えたとき、私の内部にやさしい心がよみがえってきたようにも、「意欲」と呼ぶべきものが湧きあがってきたようにも感じられました。
畑 潤(はた じゅん/都留文科大学教授)

書評

子どもの本棚 2012年9月号 この本の舞台うら
人と動物をつなぐ環、シートンの動物物語
今泉吉晴

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