のはらでなわとび
内容説明
ある朝、こぐまのくうが、のはらでみつけたのは、なわとびのひも。「ぼくも、とべるかな」と、いっしょうけんめい練習したら、とべた!それをみていた、まりちゃんが拍手して……。
書評
- 春はワクワク!
- とてもとても寒かった冬が過ぎ、少しずつ春の気配がただよってきました。梅の花が咲き、つくしが顔を出し、桜の木が「もうすぐ私たちの番だよ~!」と準備をしているように思います。
そんな季節に子どもたちと一緒に楽しみたい『のはらで なわとび』。よもぎ野原でなわとびのひもを拾ったくまの子くうは、楽しそうになわとびをしていたまりちゃんのまねをして、とぶ練習をします。それを木のかげから見ていたまりちゃんに見つかって、あわてて山に登ってにげてしまうくう。くうを追いかけてころんでしまうまりちゃん。そこで「あなたとあそびたかったのよ。」というまりちゃんにくうは最初はびっくりして、そしてにっこり。子うさぎ三びきも加わって、みんなでよもぎ野原でなわとびをします。どの場面も、くうとまりちゃんの表情がとてもかわいらしく、最後の場面では、春の暖かい風と香りを感じ、くうたちの楽しそうな笑い声が聞こえてくるようです。
ちょっと勇気を出して、自分から声をかけて、そこから始まる新しい出会い。そうやって子どもたちはどんどん世界をひろげていくことでしょう。私たち大人もまた、素敵な出会いを求めて、人とのふれあいの中で心豊かな時間を過ごせたら……春の出会いに心がワクワクしています。 - 前川有紀子(まえかわ ゆきこ/紙芝居ピッポの会会員)
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