童心社のおはなしえほん

くさむらゆうびんきょく

いしはらゆりこ 作/伊藤夏紀

《第15回絵本テキスト大賞受賞作》

ちいさな池のそばの草むらに、虫たちの郵便局がありました。「くさむらゆうびんきょく」は、朝からおおいそがし。配達の準備ができると、トンボやカブトムシたちは、さぁ出発です。あじさいの葉のうえで、みんなの活躍をながめているのは、かたつむりの「でんでん」です。「ぼくも やくにたつ しごとが してみたいな」でんでんはゆうびんきょくに行ってみることにしました。

のんびり屋のでんでんが、「ここで はたらきたい」と言ったので、ガマガエル局長はびっくりしすぎて、とびあがりました。「のんびりやの きみに なにができるというのかね?」でんでんはかんがえます。「ぼくに できることって なんだろう?」

ここは、だれでもとくいなことで活躍できる「くさむらゆうびんきょく」。かたつむりのでんでんの物語がはじまります。

  • 第15回絵本テキスト大賞受賞作
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 初版:2026年4月20日
  • 判型:B5変型判/サイズ:20.7×22.2cm
  • 頁数:32頁
  • 4・5歳~
  • ISBN:978-4-494-02351-6
  • NDC:913

感想を書く

内容説明

《第15回絵本テキスト大賞受賞作》

ちいさな池のそばの草むらに、虫たちの郵便局がありました。「くさむらゆうびんきょく」は、朝からおおいそがし。配達の準備ができると、トンボやカブトムシたちは、さぁ出発です。あじさいの葉のうえで、みんなの活躍をながめているのは、かたつむりの「でんでん」です。「ぼくも やくにたつ しごとが してみたいな」でんでんはゆうびんきょくに行ってみることにしました。

のんびり屋のでんでんが、「ここで はたらきたい」と言ったので、ガマガエル局長はびっくりしすぎて、とびあがりました。「のんびりやの きみに なにができるというのかね?」でんでんはかんがえます。「ぼくに できることって なんだろう?」

ここは、だれでもとくいなことで活躍できる「くさむらゆうびんきょく」。かたつむりのでんでんの物語がはじまります。

読者の声

読者さま

できることを見つけて前向きに生きることの大切さを教えてくれる絵本(66歳・女性)

いろいろな虫たちが働く『くさむらゆうびんきょく』。 絵を見ているだけでワクワクします。 忙しそうに働く虫たちを見て、役に立つ仕事をしたいと思ったカタツムリのでんでん。 思い切って郵便局に出かけて、働きたいとお願いするでんでんの姿は、やってみたいけれど勇気がなくて一歩踏み出せないわたしたちに勇気を与えてくれます。 郵便局でゆっくりしか動けないでんでんにも出来る仕事、むしろでんでんにしかできない仕事を見つけたでんでん。その働きを認めてくれたガマガエル局長の愛も読んでいて心が温かくなります。できないことをなげくのではなく、できることを見つけて前向きに生きることの大切さを教えてくれる絵本です。伊藤さんの絵がお話にぴったりのかわいさでした。

もっと見る

書評

ありのままでいることを、やさしく励ます 童心社のひろば744号 2026年5月15日発行
「くさむらゆうびんきょく」からは、今日も虫たちの賑やかな声が聞こえてくる。草むらに棲む虫たちには、虫たちの個性がある。その特性を生かした役割もある。この絵本は、まずはそのことに気づかせてくれる。
 また、この「ゆうびんきょく」という、郵便配達を通して虫たちが集まり、交流を持つという、場所の設定が面白い。
 はたらく虫たちの、それぞれの切実な日常も魅力的だ。
 ノロノロしていてなんの特技も持っていないと思っていたカタツムリが「自分には役に立つ仕事などないかもしれない」と思いながらも、郵便局をのぞきこむ。みんなの邪魔をしながら、カタツムリは、カタツムリとして、自らが気づかぬままに立派にはたらいていたのだ。そして長い首で、他者を助けることまでできた。カタツムリの「でんでん」は、やさしい。
 どんな生き物も「くさむらゆうびんきょく」では、みんなそれぞれの役割を不器用だったり、個性を生かしたりしながら果たしている。それが、生き物たちみんなが仲良くやっていけるやり方だ。無理などしない。その様子が、ありのままでいいと、読者をやさしく励ましてくれる。
 デフォルメして力強く描かれた生き物たちの表情や、リズム感のある文体が、絵本の楽しさをさらにふくらませている。
加藤純子/作家・日本児童文学者協会 副理事長

もっと見る