書評

〝ぽかぽか〟いただきました～　母のひろば738号　2025年11月15日発行

『ゆたんぽさんです。』を、乳幼児の親子といっしょに楽しむ機会がありました。人気の「ももんちゃん」シリーズの作者、とよたかずひこさんの新刊です。表紙を見たお母さんたちから、「かわいい！」「ほんとだ、大好きなももんちゃんと同じ作者！　うれしい！」と、声があがりました。
　木枯らしがひゅーひゅーふく寒い日、ゆたんぽさんは自分でお湯を入れて、手編みのセーター（カバー）を着て出かけます。「ゆたんぽ　ぽかぽか　いかがですか～」すると、いろいろな動物の親子がやってきて……。
　おひざに抱っこしてもらっている０～ 2歳のあかちゃんたちは、動物が出てくるたびに「あっ、あっ！」と、お話ししてくれます。「おさるさん、きた！」と、教えてくれているようです。
　動物の親子がゆたんぽさんを真ん中にしてぎゅっとするところでは、絵本を見ているあかちゃんもお母さんもぎゅっとしてもらって、いっしょに、ぽかぽか、笑顔があふれます。
　小学１年生に読んだときには、「動物がうれしそう」と、絵本をぎゅっと抱えた子がいました。あかちゃんのときに読んだ「ももんちゃん」を覚えている子もいて、広く、長く愛される絵本のすばらしさを感じました。
　絵本を楽しむ時間は、誰かと心がつながる幸せな時間。私もみなさんと絵本を読んで、ぽかぽかになりました。ゆたんぽさん、ありがとう。

松井妙子／この本だいすきの会会員・児童館職員