かんぱい!シリーズ

なきむしに かんぱい!

なきむしに かんぱい!

立ち読み

宮川 ひろ 作/小泉 るみ子

3年生になって初めての遠足に熱を出し行けなくなった咲は、泣く泣くじいちゃんの部屋で休むことに。部屋のかべには、咲をずっと見守ってきた「おかめ」「ひょっとこ」のお面がかけてあり、おかめおばさんとひょっとこおじさんは、咲の寝顔を見ながら、心に記録してきたビデオを観ていきます。それは、元気な産声の誕生、保育園へ入園、妹が生まれておねえちゃんになったときなど、いっぱい泣いて大きくなった咲の成長物語です。

  • 定価1,320円 (本体1,200円+税)
  • 初版:2016年11月20日
  • 判型:A5判/サイズ:21.5×15.3cm
  • 頁数:96頁
  • 小学1・2年~
  • ISBN:978-4-494-02050-8
  • NDC:913

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書評

自分を見守ってくれる存在(母のひろば632号)  2017年1月31日
 宮川ひろさんの「かんぱい!」シリーズが、ついに10冊になりました。『しっぱいにかんぱい!』から『うそつきにかんぱい!』『ずるやすみにかんぱい!』『わすれんぼうにかんぱい!』『けんかにかんぱい!』『0てんにかんぱい!』『ひいきにかんぱい!』『ないしょにかんぱい!』『あまのじゃくにかんぱい!』、そしてこの『なきむしにかんぱい!』です。どの本も、ドキドキしたり、ハラハラしたり、しょんぼりしたり、あれこれ迷っていると、どこからか「こういうこともあるのよ。これでいいのよ」という声がして、あたたかな掌で背中をとんとんとんと静かにたたかれる読後感があるのです。
 3年生になった咲が発熱のため、楽しみにしていた春の遠足に行かれなくて大泣きするところで『なきむしにかんぱい!』の幕があがります。泣き寝入りをしている咲を見おろしている壁のお面の「おかめ」と「ひょっとこ」が、心のビデオにスイッチを入れて、咲の泣きむし人生をふりかえり話しだしました。やがて熱もさがり、目を覚ました咲が、じいちゃんと並んで美味しいお弁当を食べるところで幕がおります。ほっとして本を閉じた時、読み手は自分を見守っている者の存在を近くに感じるのではないでしょうか。どんな時にも、ちゃんと見守ってくれるなにものかがいる─ そのことを感じる嬉しい1冊の誕生です。
あまんきみこ(児童文学作家)