ムジナ探偵局[新装版]

ムジナ探偵局9 火の玉合戦

富安陽子 作/おかべりか

第1話「木の下の妖怪」源太が学校から帰る途中、一人の老人がじっとこちらを見つめている。この人が今回の依頼人、大黒さんだ。実は最近、庭の年老いた桜の大木を切ろうと決めて以来、その木の下に正体不明の者がが現れるという。その者の招待とは!? 第2話「火の玉合戦」日曜日の朝、源太が連れてきたのは、会社に人魂やら火の玉やらが出るので会社を辞めたい、という宮地青年。会社の中で赤い火の玉と青い火の玉がケンカする理由とは? 第3話「夏の夜の夢」タバコ屋の房江ばあさんのお店でアイスキャンデーのアタリ某をくれたおばあさんが出会った、虫の大群に埋もれた男の正体とは!? 三話収録。

  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 初版:2014年9月24日
  • 判型:四六判/サイズ:20.6×15.4cm
  • 頁数:208頁
  • 小学3・4年~
  • ISBN:978-4-494-01453-8
  • NDC:913

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内容説明

第1話「木の下の妖怪」源太が学校から帰る途中、一人の老人がじっとこちらを見つめている。この人が今回の依頼人、大黒さんだ。実は最近、庭の年老いた桜の大木を切ろうと決めて以来、その木の下に正体不明の者がが現れるという。その者の招待とは!? 第2話「火の玉合戦」日曜日の朝、源太が連れてきたのは、会社に人魂やら火の玉やらが出るので会社を辞めたい、という宮地青年。会社の中で赤い火の玉と青い火の玉がケンカする理由とは? 第3話「夏の夜の夢」タバコ屋の房江ばあさんのお店でアイスキャンデーのアタリ某をくれたおばあさんが出会った、虫の大群に埋もれた男の正体とは!? 三話収録。

推薦のことば

特権はすべての読者のもの 2015年4月1日
 挿絵の仕事は大すきです。その特権には、いつもうっとりするのです。著者のお身内と編集者の次に、ほぼ宇宙で何番目かの読者になれるのですから。
 ムジナさんと源太との初めての出逢いから、もう何年が経ったことでしょうか。その年月を、宇宙で何番目かの「ムジナ探偵局」シリーズの読者として生きてきたことは、大げさでなく誇りだと思っています。
 まだ本の形になっていない紙の束を机の上に置いて一枚一枚めくっていくときに、私の体を包んでくれる富安さんの日本語の空気、香り。「おはなし」の世界の中に入っていく、ふしぎなカーテンのような感覚は、今回も健在です。しとしと降る雨と濡れた地面のにおい。そしてムジナさんとのゆかりを頼りに、こちら側へ小さな手を伸ばしてくる、はかないけれどたしかに私たちと一緒に生きている、あやしいものたち。その小さな手に、いつもしっかり応えてくれるムジナさんと、それを見届ける源太。ネタバレになるので細かくは書きませんが、慈味溢れるお話3編を、今回も特権的に拝読いたしました! ……しかし考えてみれば、読者の方がたにとっては、本を開けばムジナさんや源太たちと会えるわけですから、一期一会は私もその一員である、読者すべてに用意されている、良いものなのです!
おかべ りか(おかべ りか/イラストレーター・漫画家)