守ってのこそう! いのちつながる日本の自然

森・川・海 つながるいのち

畠山重篤 著/宍戸清孝 写真

「森は海の恋人」をキャッチフレーズに、森に木を植え続けて20年。カキ養殖業の著者がみずからの体験を元につかんだ森・川・海の命のつながり。環境問題を考える新たな視点を子どもに向けて語る一冊です。

  • 「生物多様性の本箱」~みんなが生きものとつながる100冊~(国連生物多様性の10年日本委員会推薦)
  • 定価3,190円 (本体2,900円+税10%)
  • 初版:2011年1月24日
  • 判型:A4判/サイズ:30.3×21.6cm
  • 頁数:40頁
  • 小学5・6年~
  • ISBN:978-4-494-00831-5
  • NDC:460

感想を書く

(もくじより)森は海の恋人/リアス式海岸/森の働き/森と海のきずな「鉄」/森に木を植えよう etc

森は森だけ、川は川だけ、海は海だけを切り離して環境問題を考える時代ではありません。これからは森から川、川から海へとつながる命の循環を理解することがもっとも必要です。新たな視点を子どもに向けて語る一冊。美しい写真資料と図版が、学習の理解を助けます。

内容説明

「森は海の恋人」をキャッチフレーズに、森に木を植え続けて20年。カキ養殖業の著者がみずからの体験を元につかんだ森・川・海の命のつながり。環境問題を考える新たな視点を子どもに向けて語る一冊です。

推薦のことば

汗をかき、味わってこそみえるつながりがある
 畠山さんは革命家である。ぼくは常々そう思っていた。カキを育てる漁師さんが山に木を植える。理由は山の森がカキを育む源だから…。初めてこの話を聞いた人は、きっと頭のなかが「?」でいっぱいになったにちがいない。なぜ海に生きるカキと山の森がつながるのかと。

革命家は確信をもっている。理屈はあとからついてくればいい。「森は海の恋人」というステキな言葉を創りだし、多くの子どもたちを道連れにして山に木を植える。子どもたちを海にいざない、カキやホタテを食べさせて、なぜおいしいのかを考えさせる。世界中を飛びまわり、森と海のつながりを見出してゆく。

理屈が後から追いついた。現場に生きる畠山さんにしてみれば、何をいまさらと思っていることだろう。森とカキをつなぐ鍵は、森が生み出す「鉄」であった。畠山さんが「森・川・海 つながるいのち」で描き出すカキと森の物語は、身のまわりの環境の背後に隠された驚くべき仕組みを見せてくれる。

インターネットでつながることも結構だが、汗をかいて山に登り、舌で味わって知るつながりを大切にしたい。そして、私たちの住む日本には、こんな経験ができる自然がたくさんあることを本シリーズは教えてくれる。

人の心に木を植える革命家、畠山さんの世界へようこそ!
白岩孝行(しらいわ たかゆき/北海道大学低温科学研究所准教授)

書評

子どもの本棚 2011年8月号
子どもと科学よみもの 2011年7月号 この本読みましたか?
竹田裕子
女性のひろば こども図書館
千田てるみ

もっと見る