コラム
2024.08.13
あたりまえの普通を問う、大人にもおすすめの絵本『ひとつめのくに』
「せなけいこおばけえほん」シリーズは今年で刊行から50年!
シリーズで最初に刊行された2冊から、今回はこちらの絵本をご紹介します。
むかし、めずらしいものを見せる見世物小屋がありました。
でも見世物師は、いんちきばかり。
「よにもめずらしいばけもので、目が三つで、歯が2本だよ」
お客が入ってみると、ただの「げた」がころがしてあるだけ。
(鼻緒をとめる穴=目が3つあり、げたの底部で接地する板を「歯」と呼ぶことから)
とうとうお客がこなくなってしまいました。
こまった見世物師は、江戸から百里行った所にある大きな木の下で、ひとつめこぞうに出会ったという旅人に出会い、つかまえて見世物にしようとたくらみます。
見世物師は、江戸から百里旅をして、大きな木の下で遊んでいた、小さなひとつめの女の子をみつけます。
女の子をだましてさらおうとした見世物師は、大人達にみつかり、つかまえられてしまいます。
奉行所につれて行かれた見世物師。
ひょいと周りをみると、お奉行様も、お侍もお百姓も、みんなひとつめ!
「めが二つもある」
「ばけものだ!!」
最後には、見世物師は自分が見世物小屋で見世物になってしまいます。
落語「一眼国」(いちがんこく)を題材にした本作。
せなさんのかわいらしい貼り絵と短くもわかりやすい語り調の文章で、思わずお話にひきこまれる怖さとおもしろさがあります。
私たちの普通は、違う価値観を持つ人にとっては普通ではなく、文化や立場の違いによって変わるもの。
あたりまえの普通を問う、大人の方にもおすすめしたい絵本です。
28ページ。3~4歳から楽しめます。
(せなけいこ・作)
https://www.doshinsha.co.jp/search/info.php?isbn=9784494004027
シリーズで最初に刊行された2冊から、今回はこちらの絵本をご紹介します。
むかし、めずらしいものを見せる見世物小屋がありました。
でも見世物師は、いんちきばかり。
「よにもめずらしいばけもので、目が三つで、歯が2本だよ」
お客が入ってみると、ただの「げた」がころがしてあるだけ。
(鼻緒をとめる穴=目が3つあり、げたの底部で接地する板を「歯」と呼ぶことから)
とうとうお客がこなくなってしまいました。
こまった見世物師は、江戸から百里行った所にある大きな木の下で、ひとつめこぞうに出会ったという旅人に出会い、つかまえて見世物にしようとたくらみます。
見世物師は、江戸から百里旅をして、大きな木の下で遊んでいた、小さなひとつめの女の子をみつけます。
女の子をだましてさらおうとした見世物師は、大人達にみつかり、つかまえられてしまいます。
奉行所につれて行かれた見世物師。
ひょいと周りをみると、お奉行様も、お侍もお百姓も、みんなひとつめ!
「めが二つもある」
「ばけものだ!!」
最後には、見世物師は自分が見世物小屋で見世物になってしまいます。
落語「一眼国」(いちがんこく)を題材にした本作。
せなさんのかわいらしい貼り絵と短くもわかりやすい語り調の文章で、思わずお話にひきこまれる怖さとおもしろさがあります。
私たちの普通は、違う価値観を持つ人にとっては普通ではなく、文化や立場の違いによって変わるもの。
あたりまえの普通を問う、大人の方にもおすすめしたい絵本です。
28ページ。3~4歳から楽しめます。
(せなけいこ・作)
https://www.doshinsha.co.jp/search/info.php?isbn=9784494004027