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2022.08.30
<9月のおすすめのかみしばい>『いもころがし』ユーモラスなわらい話

民話かみしばいから、ロングセラーのわらい話をご紹介します。
むかし、おしょうさんが3人のこぞうさんをつれて、えらいお坊さまがたくさん来る集まりにやってきました。
「いいか、今日は行儀よくして、
やたらに口をきたり、勝手なことは してはならんぞ。
何でも わしのするとおりに、するんじゃ」
おしょうさんはこぞうさんたちによく言い聞かせました。
やがて昼時になり、いもやら大根やら、おいしそうなごちそうが、おしょうさんとこぞうさんたちのもとへ運ばれてきました。
言いつけを守って、食べはじめるのを待っていたこぞうさんたち。
おしょうさんがはしをとると、こぞうさんたちもはしをとります。
そして、おしょうさんが、いもをはしではさみますが、
つるり
ころ ころ ころ ころ ころ
それをみたこぞうさんたち。
「あ、おしょうさんが いもを ころがしたぞ」
「それっ」
おしょうさんのまねをして、3人ともいもをころがしてしまいます。
こまってしまったおしょうさんは、
「えへん」
せきばらいしながら、いもをこっそりと拾います。
けれど、それを見たこぞうさんたちも、つぎつぎとおしょうさんのまねをして……。
こぞうさんたちがまねしていく様子がおもしろく、観客の笑いをさそいます。
前川かずおさんの親しみやすい絵が、なんともユーモラスです。
落語「本膳」の原話にもなっているこちらの昔話。
これからむかえる「敬老の日」の催しなど、子どもからお年寄りまで、幅広い世代で、お楽しみいただける作品です。
12場面/3歳から
(川崎大治 脚本/前川かずお 絵)