2021.11.20

<いま、演じたい紙しばい>ひとりじめしないで楽しもう『ふうせんふわふわ』

今年7月名古屋で初めて回顧展が開催され、今月27日からは北九州市立美術館、来年度は広島や世田谷でも巡回展の開催を予定している、ロングセラー絵本シリーズ「こぐまちゃんえほん」(こぐま社)で知られる絵本作家わかやまけんさん。
今日は、わかやまさんが絵をてがけた、今年で刊行から50年になるロングセラー紙芝居をご紹介します。

 「ほーら、みて ごらんなさい。
ふうせんが どっさり。
きれいねえ。ほしいでしょう」

 「はい、あげますよ」

 森の保育園のうさぎ先生が、みんなにひとつずつふうせんをくれました。
みんな順番にひとつずつふうせんをもらいます。



赤色のふうせんがほしかったたぬき君ですが、ふうせんはひとりひとつずつ。

 どうしても赤いふうせんがほしかったたぬき君は、先生がいなくなると、「ふうせん くれよ」と、うさぎちゃんから赤いふうせんをとってしまいます。

 たぬき君はふうせんがもっともっとほしくなって、他の子からもふうせんをとってしまいますが……。

 わかやまさんの絵がなんともかわいらしい、2・3歳むけの作品です。
たぬき君は、みんなからたくさんのふうせんを手に入れて大喜びしますが、風にふかれて飛んでしまい、空の上で怖い思いをします。



シンプルなお話ながら、わがままや独り占めはよくないことが自然と伝わります。
語りかけるようなやさしい脚本も魅力的な作品です。

 12場面/2歳から
(堀尾青史 作/若山憲 画)



関連情報

◆回顧展・こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界
巡回予定
北九州市立美術館 分館(福岡) 
2021.11.27 (土)~2022.1.23 (日)

ひろしま美術館 (広島)
2022.3.19 (土)~5.15 (日)

世田谷美術館 (東京) 
2022.7.2 (土)~9.4 (日) (予定)

詳しくはこちらの公式サイトまで
https://koguma-wakayama.com/outline.html
ふうせんふわふわ

おはなしがいっぱい

ふうせんふわふわ

堀尾青史 作/若山憲

森の保育園のうさぎ先生が、みんなにひとつずつふうせんをくれました。ところが、たぬき君はふうせんがもっとほしくなって…。

  • 2歳~
  • 1971年6月1日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み