2020.04.27

<いま、演じたい紙芝居>終わったあとはみんなごきげん!『ごきげんのわるいコックさん』

みなさん、ごきげんいかがですか?
おや、紙芝居の中には、ごきげんのわるいコックさんがひとり……。

今日ご紹介するのは、今年刊行35周年を迎えるロングセラー紙芝居、『ごきげんのわるいコックさん』です。


こまったなあ。
この コックさん、ごきげんが わるいの。
ひげを ぴんと たてて、くちは むーっと むすんで。
こまったなあ。
ねえ、ごきげん なおしてよ コックさん。


最初の場面は、こんな脚本ではじまります。
「ごきげん なおしてよ」は画面のコックさんにむかって読むよう、演出ノートには書かれています。

このコックさんのごきげんの悪さといったら、そうとうなもの。それを表現するのが、さまざまな「抜き方」です。
波のように揺らしながら抜くと、むにゅむにゅ顔のコックさん。ガタンガタンと舞台に当てながら抜くと、カチンカチン顔のコックさん。



ごきげんのわるいコックさんと、それに困りはてている演じ手とのやりとりに、子どもたちはひきこまれていきます。
どうにもこうにもごきげんが直らないコックさんに「コックさん、もう しらない。」と言うと、なんと次の場面では消えてしまいます。
そして子どもたちにこう語りかけるのです。


どこに いったのかな。
みんなの そばに いない?
さがしてみて。
いない?


そして次の場面を抜くと、後ろを向いてしまったコックさんが。
演じ手と子どもたちで呼びかけます。


「コックさーん、こっち むいてーっ。」


ようやく、ごきげんのなおったコックさんがあらわれます。
困っていた演じ手に共感し、物語を見守っていた子どもたちは、演じ手といっしょにそのことを喜びあいます。
最後は、コックさんの作ってくれたぺろぺろキャンディーをみんなで食べ、幸せな気持ちで「おしまい」をむかえることができます。


参加型紙芝居のもつワクワク感、多彩な抜き方、そして演じ手と子どもたちがいっしょに味わう「よかった」の気持ち。
本作が長年愛され続けてきたのは、紙芝居ならではの魅力、楽しさがぎゅっとつまっているからなのでしょう。
ぜひ、ご家庭でも演じてみてくださいね。

(まついのりこ・脚本/画 12場面)

ごきげんのわるいコックさん

まついのりこかみしばい ひろがるせかい 第2集

ごきげんのわるいコックさん

まつい のりこ 脚本・画

ごきげんのわるいコックさんがいます。「ごきげんなおしてよ」といいながら画面をぬくと、あれあれ、顔がぐーんと横に伸びて、もっとごきげんが悪くなっちゃった。困ったな、どうしよう。くにゅくにゅとぬくと、今度は、顔がぐにゅぐにゅになっちゃった。

いろいろなぬき方によって、次々にコックさんの顔が変わっていくよ。みんなで「コックさん、こっち向いて」と声をかけると……!? 最後には、おいしいキャンディーが登場し、みんなで食べて楽しめます。演じる楽しさがいっぱいの観客参加型の大人気の紙芝居。

  • 2歳~
  • 1985年6月1日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み