2019.11.27

〈新刊図書〉一歩をふみだす勇気をくれる『はるかちゃんが、手をあげた』

絵本から本へ、自分で本を読みはじめた子どもたちにぴったりな、好評「だいすき絵童話」シリーズから、今月発売された新しい本をご紹介します。

はるかちゃんは、小学2年生の女の子。
でもクラスのほとんどの人は、はるかちゃんの声を聞いたことがありません。

はるかちゃんは小学校に入学する時、肺炎にかかって、長い間お休みをしていました。初めて教室に行った時、知らない子ばかりにかこまれて、言葉につまり、それ以来学校では話すのが怖くてはずかしくてできないのです。

学校で誰とも話さないことに、クラスのみんなも、はるかちゃん自身もなれてしまっていました。そんな時、席がえではるかちゃんは、クラスで一番元気な男の子あきらくんと隣の席になります。あきらくんははるかちゃんが本当は声が出せることを知り、話しかけたり、授業で先生から問題がだされると、はるかちゃんと2人分だと言って、両手を上げるようになります。
最初はあきらくんをおせっかいに思っていたはるかですが、気づかないうちに気持ちに変化がおとずれていきます。

この本の著者、服部千春さんの言葉をご紹介します。



「はるかちゃん」は、子どものときの私によく似ています。ただ、ここまで何もしゃべれなかったわけではないですが、外では人の目がこわくて、いつもうつむいている子でした。
でも、暗いだけの子ではありませんでした。本が大好きだった私には、想像の翼を広げて、空想の世界で遊ぶ自由がありました。
そんな私が、少しずつでも前を向いて顔を上げられたのは、私の本好きを認めてくれた、学校の先生のおかげです。
「はるかちゃん」だって、突然変貌をとげたわけではありません。もともと持っていたその人らしさに気づいてくれる、そんな人に出会ったからです。
『はるかちゃんが、手をあげた』この本を読んでくれるのは、どんな人でしょう? 私は、またワクワクしながら、想像の翼を広げています。
服部千春



子ども同士の心の交流と、勇気ある最初の一歩を踏み出したはるかちゃんに、心もぽかぽか暖かくなる一冊です。

63ページ。絵が多く低学年でも自分で読み進めやすいです。小学1・2年生から。
(服部千春 作/さとうあや 絵)


はるかちゃんが、手をあげた

だいすき絵童話

はるかちゃんが、手をあげた

服部 千春 作/さとう あや

二年二組のほとんどの人は、まだ、はるかの声をきいたことがありません。家ではちゃんとしゃべれるのに、はるかは学校で話すのがこわくて、すごくはずかしくてできないのです。ある日となりの席のあきらくんが…。

  • 小学1・2年~
  • 2019年11月15日初版
  • 定価1,100円 (税込)
  • 立ち読み