読書感想文におすすめの作品を連載でご紹介していきます。
今日ご紹介するのは『しっぱいにかんぱい！』です。
96ページ。絵が多く、小学校1・2年生から楽しめます。


運動会で、1年生からずっとリレーの選手に選ばれてきた「ぼく」のおねえちゃん、加奈。
今年は6年生のクラスで、リレーのアンカーに選ばれました。
本番の日、３位でバトンを受け取った加奈は、3組と2組を追い抜いて、
見事１着でゴールイン！
でも先生は「加奈がバトンを受け取った位置が、決まった範囲を超えていた」と、
失格にし、加奈はとても落ち込んでしまいます。
そんなとき、おじいちゃんからの電話が鳴って……。

おじいちゃんのうちには、ちょうど親戚たちが集まっていました。
みんなでお寿司をつくってたべながら、みんなで自分の失敗談を話すことになりました。
それぞれ話が終わるとみんなで、「しっぱいに、かんぱい！」とグラスを合わせます。

おじいちゃんは加奈に言いました。「しっぱいをだいじにして、大きくなってくれよ」と。

しっぱいはできればしたくないもの。
でも、だれもがしっぱいをのりこえて、大きく成長していくものです。
子どもたちの背中を、「しっぱいしてもだいじょうぶだよ」と押してくれる1冊です。

「かんぱい！シリーズ」（全10巻）の第1巻。ぜひあわせて他の作品もご覧ください。

（宮川ひろ・作　小泉るみ子・絵）