2019.06.11

〈連載〉夏のおすすめ紙芝居 『はないっぱいになあれ』

もうすぐ夏本番!夏のおすすめ紙芝居を3回にわけてご紹介します。
第1回目の今日は、『はないっぱいになあれ』です。

ある日のこと、子どもたちが花の種と
「花をたくさんうえましょう」という手紙をつけて、
たくさんの風船をとばしました。

 あっちのまちにも とんでいけ
 こっちのまちにも とんでいけ
 はないっぱいに なあれ、わーい!

たくさんとんでいった風船のうち、
地面におりてきた赤い風船をひとつ、
ひるねをしていた、こぎつねのコンがみつけました。

はじめて風船をみたコンは、赤い風船を赤い花だと思いこみ、
風船の根本を土に埋め、水をやってお世話をはじめます。

 あかいおはなちゃん。
 ここに ずうっと 
 こうしておいでね。
 ぼく まいにち みにくるからね。

しかし、翌朝コンがみにいくと、風船の花は空気がぬけて、
しぼんでたおれてしまっていました。
コンは赤い花が枯れてしまったと思い、悲しみますが、
それから何日かたち、花のあった所に、みたこともない芽が出てきて、
ぐんぐん、ぐんぐん伸びていき……。

赤い風船の種から、力強く伸びて育ち、鮮やかに咲いたのは、なんとひまわりの花。
こぎつねコンの驚きと喜びが広がり、うれしい気持ちでお話が終わります。
松谷みよ子さんによる、やわらかな言葉と、長野ヒデ子さんのやさしい絵がおくる、おすすめの名作紙芝居です。
ひまわりの季節を心待ちにしながら、ぜひ演じてみてください。12場面・3歳から。

(松谷みよ子 脚本/長野ヒデ子 絵)

はないっぱいになあれ

松谷みよ子のかわいいおはなし

はないっぱいになあれ

松谷みよ子 脚本/長野ヒデ子

お花のタネをつけてとばしたふうせんが、お山でひるねをしていたきつねのコンのところにつきました。はじめてふうせんをみたコンはびっくり!

  • 3歳~
  • 1998年3月1日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み
  • 在庫僅少