ほねほね…ほ!
内容説明
あのね、かさにもほねがあるんだよ。しってる?もしも、かさのほねがなかったら、どうなると思う? ほねって大切なものなんだよ。
推薦のことば
- ほねほね…ほ! 2013年1月30日
- 「あのね、かさにもね、ほねが あるんだよ。しってる?」という疑問文からはじまるこの作品を、子どもたちは「ワーッ、エーッ」等の声をあげて興味津々で見入ります。なぜなら、「ほねほね……ほ!」のかけ声によって、いろいろなものの骨がなくなってしまうのですから!
かさの次は、背の高いキリン。演者の「ほねほね……ほ!」の言葉で、ふにゃふにゃの姿に変身! 骨の無いリアルなキリンの姿に、子どもたちはまたまた「ワーッ!」と口々に声をあげてくれます。言葉と「ぬき」の場面展開が絶妙で、紙芝居特有の共感の世界が広がっていきます。特に七場面に描かれた可愛い赤ちゃんが、八場面では人間の骨だけに。十場面なんて人間の骸骨がテーブルでおいしそうな食事をしている姿に、子どもたちの「ワーッ」の声。なるほど、外から見ても見えないけれど、かさや動物には骨があることを証明し、そして私たち人間の体の中にも大切な骨があることを、非常にわかりやすく描いているのです。
さらに、最近は園や学校などで「食育」に関連した作品がよく使われますが、丈夫な「骨」をつくるための「食育」の視点からも、子どもたちの興味がわくようにつくられています。この作品には日常生活の中での「食べること」や「運動」、「眠ること」も、人間の骨格を作る上で大切なことが、決して押しつけではなく子どもたちに伝わります。保健教育の題材を、紙芝居らしく、楽しくわかるように、よく工夫された作品です。 - 橋村孝子(はしむら たかこ/みやがわ書店店長・紙芝居ピッポの会会員)