絵本・こどものひろば

かあさんのまほうのかばん

かあさんのまほうのかばん

立ち読み

よこみちけいこ 文/なかざわくみこ

かあさんのかばんからは、妹のまこのよだれかけに、おむつ、おもちゃ……なんでも出てくる。それなのに、ぼくのズボンは出てこなかった。「なーんや。まこのまほうのかばんなんや」家に帰ってしょんぼりしていると、あめだまを持ってきてくれたばあちゃん。「ばあちゃんのかばんは、ちいさいなあ」でも、ばあちゃんのかばんには、ぼくがいた! それに、かあさんのかばんの中にも…!? かばんには、家族への愛がつまってる!

  • 定価1,512円 (本体1,400円+税)
  • 初版:2016年9月15日
  • 判型:B5判/サイズ:26.6×19.1cm
  • 頁数:32頁
  • 4・5歳~
  • ISBN:978-4-494-02569-5
  • NDC:913

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推薦のことば

『かあさんのまほうのかばん』について 2016年9月23日
 小さい子どものいるお母さんのかばんは、とにかくみんなでっかいです。
 そしていつ子どもに何があっても大丈夫なように、できるかぎりのあらゆることを想定して、あれこれ何でも入っています。わが子が困らないように、楽しく快適に過ごせるように、笑っていられるように……という、お母さんのわが子への愛情が詰め込まれているんだなあと思います。それなのにたまたま持っていないとき、それが必要になったりして……。大きいかばんの中にはそれぞれの家庭オリジナルなものも入っていて、その家々の子育てが垣間見える気もします。
 大きなかばんを抱えて歩いているお母さんたちを見るたびに、みんな愛情たっぷりやなって、嬉しい気持ちになります。そして、「きみはお母さんに愛されて愛されて、愛されているんだよ」と、その子に言ってあげたいです。
よこみちけいこ(著者)

書評

「まほうのかばん」は 魔法の言葉 (母のひろば628号) 2016年9月28日
 かあさんの大きなかばんに入っているのは、赤ちゃんの妹のものばかりと、主人公のげんちゃんはちょっと面白くない様子。試しに持ちあげてみたら、「うわ、おっもっ!!」 そうそう! と、自分も思いだした。赤ちゃんのお世話グッズでぱんぱんの、マザーズバッグの重さ。ベビーカーの後ろにバッグをかけて、おむつを替えようと赤ちゃんを抱きあげたら、バッグの重みでベビーカーがひっくり返るという失敗を、何度繰りかえしたことか。あれこれ詰めこんで出かけても、出先で必要になった物こそ入ってなかったり、あせりやため息ばかり詰まった自分のバッグ。でも、あれも「まほうのかばん」だったんだと思うと、10数年後の今頃になって涙がにじんでくる。おむつやミルクだけでなく、げんちゃんみたいに親子の宝物も一緒に詰めて出かけたら、あのため息もいくつかは笑顔に変わっていたのかな。
 下の子に対して微妙な気持ちのお兄ちゃんに優しくよりそう文章と、おうちやお庭のにおいがするような温かい絵。この何気ない日常、家族の風景に、かあさんのくたくたのかばんの中に、小さな魔法は息づいている。最近、赤ちゃんと大荷物をかかえて歩くママを見ると、つい「それ、まほうのかばんですよ」と声をかけたくなる。「まほうのかばん」と口にすると、記憶の中の自分のバッグも、ふわっと軽くなるようで。
原 陽子/編集者・JPIC読書アドバイザー