シリーズ ともに生きる

さよならなんかしない

佐藤まどか森山花鈴 文/高橋和枝 絵/自死遺児支援プロジェクト 企画

「三学期が始まったばかりの昼休み、先生がぼくを職員室に呼んだ。先生は、ぼくのことをまっすぐ見ながら、こう言った。『あのな、びっくりせんと聞いてくれるかな? お母さんから電話があってな、お父さんがたおれたから、帰してくださいって』」

お父さんを亡くした小学5年生のユウ。まだだれからも、お父さんがどうして死んだか、教えてもらっていません。

「みんな、ぼくのことどう思ってるんやろ。『お父さんが死んでかわいそう』と、思われてるかもしれへん。かわいそうな顔したほうがいいんか、なんともない顔したほうがいいんか、わからんかった。笑ってたら『お父さん死んだのに笑ってるやん』と思われるんちゃうかな」

ある日、夜ごはんのあと、お母さんに聞かれます。
「ユウ、学校の相談室に行かへん?」
つぎの週、ユウが相談室に行ってみると……。
 *
自死により父を亡くした〈ぼく〉の心の物語。深いかなしみに寄りそうグリーフケアの絵本。自死遺児だけでなく、その周囲の親、教師、カウンセラー、友だちにも読んでもらいたい1冊です。

  • 定価1,870円 (本体1,700円+税10%)
  • 初版:2025年11月10日
  • 判型:B5変型判/サイズ:20.6×18.8cm
  • 頁数:65頁
  • 小学3・4年~
  • ISBN:978-4-494-02342-4
  • NDC:913

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内容説明

「三学期が始まったばかりの昼休み、先生がぼくを職員室に呼んだ。先生は、ぼくのことをまっすぐ見ながら、こう言った。『あのな、びっくりせんと聞いてくれるかな? お母さんから電話があってな、お父さんがたおれたから、帰してくださいって』」

お父さんを亡くした小学5年生のユウ。まだだれからも、お父さんがどうして死んだか、教えてもらっていません。

「みんな、ぼくのことどう思ってるんやろ。『お父さんが死んでかわいそう』と、思われてるかもしれへん。かわいそうな顔したほうがいいんか、なんともない顔したほうがいいんか、わからんかった。笑ってたら『お父さん死んだのに笑ってるやん』と思われるんちゃうかな」

ある日、夜ごはんのあと、お母さんに聞かれます。
「ユウ、学校の相談室に行かへん?」
つぎの週、ユウが相談室に行ってみると……。
 *
自死により父を亡くした〈ぼく〉の心の物語。深いかなしみに寄りそうグリーフケアの絵本。自死遺児だけでなく、その周囲の親、教師、カウンセラー、友だちにも読んでもらいたい1冊です。

読者の声

読者さま

大切に保管します。(24歳・女性)

本を読んでとても感動したので初めて感想を送ってみました。
私は図書館で働いており、新刊の情報が出てからずっとこの本を開くの楽しみに待っていました。
今まであまり自死遺児を題材にした絵本はなかったような気がして気になっていました。
モノクロのイラストで、ページをめくる度に悲しくて心が締め付けられる感じで涙が出てしまいましたが途中から色が戻ってきて悲しいだけの物語じゃなくて安心しました。
読んだ後に思わず表紙の男の子のイラストを手で撫でてしまいました。
大切に保管します。

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