単行本図書

夕焼けカプセル

夕焼けカプセル

立ち読み

泉 啓子 作/丹地 陽子 装画

友だち、家族、進路……そして恋。中学生の女の子のリアルが詰まった三つの物語。「レッスン1」「風速一万メートル」「たくさんのお月さま」悩み多い毎日の、一瞬一瞬が大切に思えてくる、女子中学生向けのYA作品。

  • 定価1,540円 (本体1,400円+税)
  • 初版:2012年3月15日
  • 判型:四六判/サイズ:19.4×13.4cm
  • 頁数:304頁
  • 中学生~
  • ISBN:978-4-494-01959-5
  • NDC:913

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読者の声

一人ひとりがそれぞれ複雑な感情をもっていた。それをわかりやすく書いてあったから読みやすかった。だけど、もう少し先の事が知りたくなった。(15歳・女性)

推薦のことば

やはりすてきな、今を生きる思春期 2012年4月27日
 いじめがあってあたりまえ的な学校で、子どもから大人への境を越えなくてはならない思春期の少女たちが求める安心な関係とは? 集団とは? いったいどんなものでしょう。
 恋愛ごっこがいじめに発展しそうな空気がただよう中、いきなり「おまえさ、いやなら、ことわれよ」の男子の声が。いじめ・不登校体験少年との意外な展開をみせる「レッスン1」には、作品の底にいじめの根絶への願いを感じました。演劇は現実とちがってつくりものの世界だから魅力があると思っていた少女が、父母の離婚という現実を前に演劇から遠ざかっていく「風速一万メートル」には、『きみは今、何になる前ですか?』『ぼくは、あいかわらず、ゼペットじいさんの部屋のすみに転がってる丸太んぼうの状態です……』の台本の1コマを思い出す場面があります。思春期の子どもたちが再び戻りたいと涙まで流す集団が、今、どれほどあるのでしょうか。異年齢グループとの交わりを通して成長していく少女の「たくさんのお月さま」もそうですが、外からはどう見えようと、思春期はすてきなのだという作家のセンスに、少女たちは微笑みうなずくでしょう。
 思春期は子どもにとっても親にとっても不安な時代です。母と娘のズレも切なく、娘との関係をダブらせて読むもよしの本で、親にも読んでほしい1冊です。厳しい勤務のもとで、家族からスポイルされていく夫や父親像など、社会認識もさすがです。
横湯園子(よこゆ そのこ/元中央大学教授・臨床心理士)

書評

子どもの本棚 2012年9月号
女性のひろば  2012年9月号 こども図書館
千田てるみ
学校図書館速報版 2012年8月1日 選定図書から