チョコたろう
チョコのママから生まれたチョコたろうは、あまいチョコをくばる旅に出ます。旅先で出会った人たち、けんかをしている大人や泣いている女の子、盗賊団、みんなチョコを食べて、ふあーんと笑顔になります。
内容説明
「あまいあまいチョコを、みんなにくばっていらっしゃい。 苦いものや辛いものに、世界が負けないように」
旅に出たチョコたろうは“ちょこっと”チョコをさしだして、出会った人々を笑顔にしていきます。ところがある日、甘いものが大好きな盗賊団があらわれて…。
読者の声
-
夢があふれるような気持ちになる絵本(児童館職員)
-
2月のバレンテインデーを前にこの本を読み、夢があふれるような気持ちになりました。子ども達も大好きになりそうな絵本です。
-
チョコがやさしい幸せな気持ちにしてくれるのもたしかです。プレゼントにいいかな……。(62歳・女性)
-
森絵都さんの作品!楽しいですね。チョコがやさしい幸せな気持ちにしてくれるのもたしかです。プレゼントにいいかな……。時々、「まだチョコレートは食べさせていません」という若いお母さんにお会いするので、ちょこっと問題ありにならぬよう注意も必要。「あまいものバイキング」は楽しいですね。今頃若者はみんなバイキング形式の食事が好きなようですね。小学校入学前くらいの子どもたちに読みたい1冊です。
もっと見る
関連情報
-
-
2022/10/3
〈神戸市〉10/8絵本ワールドinひょうご2022、3年ぶりの開催!
3年ぶりとなる絵本ワールドが兵庫県神戸市にて行われます。ワークショップ、おはなし会などイベントもりだくさん! お近くの方はぜひお出かけください。当日は、絵本『たかこ』『チョコたろう』の作者、青山友美先 ...
もっと見る
推薦のことば
- 平成の「太郎」は甘いのです (母のひろば625号) 2016年6月15日
- 日本の創作市場において、近頃、めっきり影を薄めた存在がある。
太郎、だ。
ふりかえるに、私が子どもだった昭和40年代は、まだまだ太郎がのしていた。桃太郎。金太郎。浦島太郎。力太郎。ウルトラ兄弟ならぬ太郎一族が時代を牽引していたと言ってもいい。その姿形は違えど、太郎たちには1つの共通点があった。弱きを助ける、だ。
村人を助ける。動物を助ける。そのために彼らは一肌ぬいだ。迷うことなく至極自然に自分を差しだした。そんな彼らの在り方が、知らず知らず私たちの心に刻んだものがあったのではないか、と今となっては思う。
このたび上梓した平成生まれの『チョコたろう』は、歴代先達の足元にも及ばないへなちょこ太郎だ。ただチョコを配るだけ。誰とも戦わない。すぐに泣く。けれど「にがい」「からい」世界に甘味をもたらすために奮闘している点で、ほんの少しは太郎一族の血を継いでいると思いたい。
見どころは、チョコたろうの造形。なんとも愛らしく香ばしい青山友美さんの絵は、甘いものを見ると人は心をとろんと和ませる、という事実を再確認させてくれる。もともと、子どもは「桃」よりも「金」よりも「チョコ」が好きなもの。ぜひ、試食がてらお手に取ってみてください。 - 森絵都/作家(著者)