五味太郎 おでかけシリーズ

いそいでおでかけ

いそいでおでかけ

立ち読み

五味 太郎 さく

さるの子がいそいでおでかけ。くつやぼうしをわすれて、そのたびにおうちにもどります。まだなにかわすれてるみたい。「ねえぼくどこへゆくんだっけ?」そう!つりにゆくのでした。あれ?まだなにかわすれてない?

  • 定価1,100円 (本体1,000円+税10%)
  • 初版:2017年3月1日
  • 判型:B5変形判/サイズ:19.6×19.6cm
  • 頁数:24頁
  • 2歳~
  • ISBN:978-4-494-01459-0
  • NDC:913

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書評

なんとも言えない渋い色(母のひろば635号) 2017年5月11日
 幼い頃、私は母に変な色の服ばかり着せられていた。いわゆる赤とかピンクとか黄色のような子供らしい色ではなく、なすびみたいな紺色とか、キツネのような黄土色とか、サザンカみたいなピンクとか、なんとも言えない渋い色。
 五味太郎先生の絵本は、幼い頃私が身に纏っていた色と同じ色をしている。今思えばそれは当然で、もともと母は五味先生の絵本が大好きだったのだ。
 そんな五味先生の新刊「おでかけ」シリーズは、全体的に色が鮮やかになってはいるけれど、キャラクターたちは相変わらずなんとも言えない渋い色をしている。シリーズを通していいなと思ったのは“大人がほとんど手を貸さない”という点だ。「だいじょうぶか おまえ」「へんなやつだな」と気にはかけつつ、ほとんど手は貸さない。実は私、1度だけ五味先生にお会いしたことがあるのだけど、五味先生自身がまさにそんな人だった。絵を描くのが好きな私が五味先生の画材道具に目を輝かせていたら、「なんか描いてみろ」と筆を貸してくださった。手を震わせながら猫の絵を描く私の横で、にまにましながら腕組みして見守る五味先生。出来上がった猫のブサイク加減に落ち込んでいると、五味先生はおもむろに筆とインクを取り出し、私が描いたブサイク猫にサザンカみたいなピンク色をちょんと乗せた。猫はたちまち、五味先生の猫になった。ブサイクピンク猫が我が家の家宝になったのは、言うまでもない。
菊池 亜希子/女優・モデル