単行本図書

トンチンさんはそばにいる

トンチンさんはそばにいる

立ち読み

さえぐさひろこ 作/ほりかわりまこ

ゆうくんは、ときどき思いがけないことを言ったり、言い当てたりすることがあります。「どうしていろんなことがわかるの?」と聞くと「トンチンさんが教えてくれる」とゆうくん。どこにいるんだろう、トンチンさん。

  • 厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財(2017年)
  • 第64回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞(2017年)
  • 定価1,100円 (本体1,000円+税)
  • 初版:2016年7月15日
  • 判型:A5判/サイズ:21.5×15.3cm
  • 頁数:64頁
  • 小学1・2年~
  • ISBN:978-4-494-01163-6
  • NDC:913

感想を書く

ちょっと変わった男の子、ゆうくんの架空の友達「トンチンさん」。独自の世界を持ち、周りに受け入れられない「弱者」の立場の子を受けとめ、よりそう子どもたちを描いた感動の創作読み物。

読者の声

私は市役所で福祉部に所属しています。障がい者支援の仕事をしていますが、この本の主人公の一人、ゆうくんの気持ちを周囲の人々がわかって下されば、すばらしい社会になると思うのです。ありがたく読ませて頂きました。(23歳・女性)

推薦のことば

心のふしぎに出会うとき(母のひろば627号) 2016年9月1日
 子どもは1人ひとりみんな違う、と頭ではわかっていても、学校で、同じ教科書で勉強して、同じ運動場で遊んで、同じ給食を食べている子どもたちは、つい「みんないっしょ」と思われてしまいがちだ。さらには「いっしょがいい」とさえ。けれどほんとは、学校というのは、みんなは1人ひとり違っている、ということを学ぶ場所なんじゃないか、と思う。

 「ひなたちゃん」は、一目見ただけでものの数を言い当てたり、天候を予測できたりする同じクラスの「ゆうくん」の能力をふしぎに思っている。「どうしてわかるの」と訊くと、「トンチンさんが教えてくれる」とゆうくんは答える。トンチンさんって誰なのか。ひなたちゃんにはわからないけれど、心のなかにトンチンさんがいるゆうくんって、すてきな子だな、と思う。みんなと違っていることでゆうくんはほかの子に意地悪をされたりするが、ひなたちゃんはそんなのおかしいと思う。ゆうくんの側に立ち、ゆうくんに、そばにいるのはトンチンさんだけじゃないよと伝える。もう1人の友だち「まおちゃん」と共に、ゆうくんの心のふしぎが共有される。

 わからない力でわたしたちは生きているということが、この物語から伝わってくる。みんなが違っているってすてきなことで、そのことが学校の、そして社会の空気を新しくしている、と、そのことを考えさせられる。
岩瀬 成子(いわせ じょうこ/児童文学作家)

書評

朝日小学生新聞 本だな 2017年5月14日
土居安子さん(大阪国際児童文学振興財団)
ベルマーク新聞 2016年10月10日 読んでみたい本
児童文学評論家・藤田のぼる
小学図書館ニュース 第1082号 2016年10月8日
「きらり★と光るこの4冊」で紹介
読売新聞(夕刊) 2016年9月3日 KODOMOサタデー「ファイル」に掲載
月刊書評紙 子どもの本棚No.582 2017年4月1日
小川たつ子
「子どもと読書」(親子読書地域文庫全国連絡会)
3・4月号掲載 特集 2016年 子どもの本この一年