遺伝子・DNAのすべて
中学・高校での理科の授業で必須となる生命科学の基本知識と、最新の研究成果を1冊に凝縮しました。
「iPS細胞」の項目について、山中伸弥教授のノーベル賞受賞にともない、新たに加筆修正いたしました(2013年3月)。
内容説明
「理科教育の充実」を掲げる新しい学習指導要領に対応。日進月歩する生命科学の基礎から最先端の知識までを豊富な写真と図版とで1冊に凝縮。iPS細胞、オワンクラゲの発光遺伝子、DNA鑑定など最新の情報はもちろん、38億年の生命史をきちんとおさえました。
読者の声
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とてもよくわかる
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さまざまな工夫と、わかりやすい図解で、そしてていねいで詳細な文章で、遺伝子やDNAのことがとてもよくわかると思いました。
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推薦のことば
- 理科の探検 RikaTan RikaTan読書室
- この本は、もともとは子ども向きにかかれた本だったのでしょう。ルビが随所にふってあり、難しい専門用語が並んでいてもたいへん読みやすいです。ですが、この本を児童図書だけにしておくのはモッタイナイですね。
分子生物学は近年目覚ましく進歩し、DNAや遺伝子といった内容は、学校で習う子どもたちよりも、すっかり大人になってしまった人たちのほうが正しく理解していないことがあります。
子どもにわかるようにと挿入された図は、むしろ大人に受け入れやすく、授業でも活用しやすいと思います。 - 吉田のりまき
- 子どもと科学よみもの No.402
- 最初にマンガで「遺伝子物語…人の体は60兆個の細胞からできている。その細胞をひとつの町に例えて…」とわかりやすく説明してある。
まず、DNAは細胞の核の中にある。「玉ねぎの薄皮をはいで…見てみよう!」と実験方法が載っている。ついで、「DNAを取り出そう」とか、「DNAとは何なのか?…二重らせんの発見…DNA組み立て分解模型を作ろう」と実験が紹介されている。
遺伝子・染色体・進化のはなし・生命科学の最先端のはなしまで、わかりやすいイラストと明快な文章で語っている。 - 科学読み物研究会(新刊研)
書評
- マナビゲート 2012
- 月刊ポプラディア 2010年8・9月号
クローン動物、個人鑑別など、近頃はDNAに関する報道をみかけることが多い。本書はそのDNAの基礎知識から研究の歴史、最先端のバイオテクノロジーまで、遺伝子・DNAに関するすべての情報を図鑑的に説明する便利な本である。
たとえば「遺伝子組みかえ作物」。その植物のつくり方が図で示される。とても便利な技術で、乾燥や塩害(土中の塩分がこくなって、植物の生育がさまたげられること)に強く、収穫量の多い植物を育てれば食糧不足も解決できる。しかし、その安全性は不明であり、自然環境への影響も心配されているという。
そのほか、「遺伝子のつたわりかた」「イモムシがたどる進化の歴史」「花を作る形づくり遺伝子」「生活の中のバイオ」「クローン動物」などについての解説があり、索引をみて、自分の知りたいところから読むことができる。
専門的なこともわかりやすく書いてあるので、こどもからおとなまで利用できる。まさに遺伝子・DNAの百科事典というところだ。- 西本鶏介
- 科学技術館メールマガジン 第284号 科学技術館おすすめ 科学の本の紹介
- タイトルどおり、遺伝子・DNAについての事柄が、基本的なことからかなり専門的なことまで、幅広く細かく記述されています。巻末には丁寧な索引もあり、さながら、「遺伝子・DNAの百科事典」のような本です。
第1章の冒頭に、「遺伝子のすべてがわかる!遺伝子物語」と題された漫画が載っているのですが、細胞が町に、核が図書館に、ゲノムが百科事典にたとえられていて、遺伝情報の発現のおおまかなしくみを楽しく理解することができます。DNAの組み立て分解模型も参考になりました。(高校教諭の吉田英一さんの考案で、HPも掲載されています。)
また、遺伝子組み換え技術の利用による可能性と危険性、再生医療など、生命科学の最先端の話題についても豊富に取りあげられています。
さらに、この種の本ではめずらしいことですが、「論文の書き方」、「科学者になるには」といった項目も設けられています。本書をきっかけに、将来、生命科学者が誕生するかもしれませんね。
中学生から。 - 山森貴子(科学読物研究会)
- 子どもの本棚 新刊紹介
- 「生きているって何だろう」その答えを探して、遺伝子の謎を解くために科学者になったという著者が、若い読者に向けて、体系的にDNAを解説する。
「メンデルの法則」「二重らせん構造」「血液型」など、教科書でも取り上げられる項目の他に、「遺伝子組み換え食品」「絶滅動物の復活」「再生医療」など、生命科学の最先端の仕組みにも迫っていく。通読すると、「遺伝子の仕組み」から始まって生命46億年の謎を解き明かす展開になっている。
全ページにキーワード解説がついており、大学生にも高度な内容を、小学生にも伝わる文章とイラストで分かりやすく表現している。また、巻末には索引があるので、事典としても利用できる。クイズや実験の紹介など工夫が多く、生物が苦手な読者には、興味を持たせることができるし、生物に興味がある読者には、より専門的で奥深い知識と、科学者への道を示すことができる一冊。 - 佐藤清子
- 『あうる』2011年2+3月号
- 第11回子どもの本この1年を振り返って 2010年 ノンフィクションの部
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