推薦のことば

のりものだいすき 2014年4月4日

　「あっ！ 消防車！」と表紙をちらっと見るなりさけぶ、一歳児の子どもたち。ホイールローダーからはじまり、ミキサー車やはしご車などつぎつぎとはたらくのりものが出てきます。そのたびに、立ちあがり指をさして車の名前をさけび、そうでしょ？　と大人の顔を見て正解を待っています。
　ページがタテに伸びクレーン車が長くなると「おおー」と声をあげ、救急車のページが横に開かれ、担架で運ばれている人を見ると「どうして、いたいのー？」「どうして？　どうして？」と聞いてきます。「どうしてだろう？」と反対に問いかけてみると、「お腹いたいんじゃない？」と想像をふくらませています。「なんでお腹いたいの？」とまた違う子が声をあげると話はつづいていき、「食べ過ぎちゃったのかな」と大人も話にのってみました。「いちご食べ（過ぎ）ちゃったのかな」と一人が言うと、他の子は「あ～そうか～」と納得した雰囲気。「やだやだもっと食べたい！　って、いちごいっぱい食べちゃったのかな～」と、一歳児の「イヤイヤ期」を真似して大人が演技をして見せると、一斉に笑い声があがりました。自分が経験したことと場面が重なったのでしょう。
　こんなふうに、『はたらくのりものえほん』は絵を見ながら友だちや大人とイメージを共有し、想像をふくらませることのできる絵本です。

山岡 敦美（やまおか　あつみ／北区立桜田保育園　保育士）