絵本・こどものひろば

もりのおるすばん

もりのおるすばん

立ち読み

丸山陽子 さく

おおきな森のなかに、ちいさなおうちがたっていました。山からくまがやってきて、どっし どっしとあるいていると、おうちのなかから女の子がでてきて、「しずかに しずかに」といいました。さんぽをしていたしかにも、「しずかに しずかに」。きんいろのしっぽのきつねにも、「しずかに しずかに」。木のうえで、こんやのおうちをつくっているキツツキにも、「しずかに しずかに」。木の実をさがして庭をはしりまわっているリスにも、「しずかに しずかに」…。いったい、どうしてでしょう?

  • 定価1,466円 (本体1,333円+税)
  • 初版:2012年7月10日
  • 判型:B5判/サイズ:26.6×19.1cm
  • 頁数:32頁
  • 小学1・2年~ 小学3・4年~ 4・5歳~
  • ISBN:978-4-494-00760-8
  • NDC:913

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何年もの間、国内で取材を重ねて描かれた動物たち。クマ、シカ、キツネなどの動物たちはもちろんのこと、木の葉の一枚までもよく観察して描かれています。そこからは小さな生命、自然への深い愛情が感じられ、現代生活の中で私たちが忘れがちな、ゆったりとした時間が流れます。みずみずしいデビュー作。

推薦のことば

人も動物も一緒に 生きていこう 2012年8月1日
 「今日はどこで読もうかな~」と、絵本と紙芝居を持って声をかけると、「楽しみ~」という笑顔でみんな集まってきます。絵本はたくさんありますが、大人の都合のよいしつけや道徳を教えこんだり押しつけるようなものは、子どもたちもしらけてしまいますので、読まないようにしています。
 よく乳幼児期は人の根っこの部分を育てる時期だと言われています。地面の下の根っこは目には見えないけど、この時期に何を渡すのか?
 人としての生き方や、尊厳や、勇気や、正義や、優しさなどを絵本や紙芝居のお話を通して感じ、考え、記憶に刻んでもらいたいものです。心に染みいる良いお話に出あった時には目を輝かせ、ほどよい緊張の中で集中します。
 丸山陽子さんは三、四年ほど前から年に数度園に来られ、赤ちゃんや子どもたちを描き、一冊の絵本を生みだすご苦労を教えてくださいました。子育て・保育が親御さんや保育者を映しだすのと同じように、絵本も作家の人となりが表れるようです。わたしはこの作品の特に最後の場面に感銘を受けました。
 子どもと動物たちに囲まれて赤ちゃんがすやすやと寝ている。“同じこの地球に生きている人と動物が、一緒に生きていこうね”というメッセージが込められているように思いました。
大塚 繁夫(おおつか しげお/鴻巣ひかり幼稚園園長)

書評

クーヨン 2012年10月号
MOE 2012年10月号 おすすめ新刊絵本
穏やかに包まれる温もり 誠意の伝わるデビュー作