わがはいはのっぺらぼう
お気楽ゆかいな おばけの一日。
好物ははんぺんステーキ!?
のっぺらぼうの妖しい怖さと、滑稽な面白さ、両方楽しめる一冊です。
内容説明
のっぺらぼうの朝はきゅうりのパックで始まります。何せつるつるの肌が命ですから。メイクでとびきり美人に変身したら、夕闇の町にくり出します。人間を驚かすのが、のっぺらぼうの仕事。くらーい四つ辻で待ち構えて、通りかかった人間に向かって「バア!」と飛び出すと……「ギャー!」!?
関連情報
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2018/4/26
スペシャルインタビュー 『めしくわぬにょうぼう』 画家・飯野和好さん
“お化け”が登場する“行事”に関する民話・昔話を集めた絵本「おばけ・行事えほん」シリーズ。第4巻となる『めしくわぬにょうぼう』(常光 徹 文/飯野和好 絵)の刊行を記念し、絵を描かれた飯野和好さんに、 ...
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推薦のことば
- 住みにくい人の世を愉快に 2011年11月15日
- 親譲りの本好きで子どもの時から本ばかり読んでいる。わけても絵本に目がなく、面白い新刊大歓迎。さて、この『わがはいは のっぺらぼう』、「わがはい」らしき粋な姐さん姿の表紙から、もやもやたなびく三日月夜の見返しに期待をつのらせ、中扉の洒落にクスリと笑んでページをめくってワッと驚いた。のっぺらぼうが、素で、思いもよらないアングルにてご登場。いやはや目の前がぱっと明るむ思い、まさしく「面白い」。
のっぺらぼうは知ってるが、その暮らしぶりなぞ想像したこともない。感心しながら読みすすみ、本領発揮のおどかし場面で再び仰天。絵本の中でも悲鳴が上がる。このあとの台詞はぜひ軽やかに歌ってもらいたい。そう、本作は願わくばだれかに朗読してもらい、切れのいいユーモラスな文を耳で楽しみつつ、目は妖しくも美しい絵に没頭させたい絵本なのだ。
もし幼い子だったなら。「あーあ、おどろいた」の節も、名前のない猫の物語も知ることなくただ好んで読み、いずれ本家に出会った際にそれと気づいてニヤリ合点しただろう。そんな楽しみ方ができるのはうらやましいけれども、細部のさりげない遊びを見つける大人の喜びも捨てがたい。
ま、老いも若きもこんなあやかしの世界をふところに持っていれば、とかくに住みにくい人の世もずいぶん愉快になろうというもので あ~る。 - 南谷佳世(みなみや かよ/フリー編集者)