秋、子どもたちはどんぐりを集めるのが大好きです。
ブナの仲間・スダジイの木のどんぐりが主人公の、こんな紙芝居はいかがでしょう。


ある秋の夜、強い北風がふきぬけて枝をゆすり、
スダジイの木から、どんぐりのスダジイぼうやがとびだしました。

「わー、とばされるー。」
北風はつむじ風になり、
スダジイぼうやはふきとばされ、坂道をころがりはじめました。

　コロコロ　コロコロ　ポッーン
　プシュ

落ちた所は、みずたまり。
すると、スダジイぼうやのおなかから、水にぬれたからもうすめないと、ゾウムシの幼虫が現れて……。


北風にとばされ、カケスやのネズミに食べられそうになりながら、
お母さんの木から離れて遠くへと冒険してきたスダジイぼうや。
つかれて、ねむくなったスダジイぼうやに、北風がやさしく落ち葉をかけてくれます。

そのまま雪のベッドでぐっすりねむったスダジイぼうやは、春になり、小さな若芽へと生まれ変わります。

作者は保育園で保育士、園長として子どもたちに長年関わりつづけてきた、島本一男さん。
絵は「こぐまちゃん」シリーズ（こぐま社）で知られる若山憲さん。
スダジイぼうやと、周りの生き物たちの姿が、シンプルな線でいきいきと描かれています。

第36回五山賞 奨励賞・脚本賞受賞作。
科学的な知識に基づきながら、命のつながりをあたたかく描いた傑作ロングセラー紙芝居です。

3歳から／12場面
(島本一男 脚本／若山憲 画)

＊この作品が収録されている以下のシリーズもあわせてお楽しみください。
だいすき！ちいさないきもの （全7巻）
https://www.doshinsha.co.jp/search/info.php?isbn=9784494070787