2019.06.13

〈連載〉夏のおすすめ紙芝居 『かっぱのすもう』

夏のおすすめ紙芝居を3回にわけてご紹介します。
第2回目は、夏の妖怪かっぱとの知恵比べを描いた、ちょっぴりゆかいなロングセラーの民話紙芝居をご紹介します。

むかし、すもうの好きなじいさまがいた。
じいさまが、たんぼの草取りをしていると、

 すもう とろう〜
 すもう とろう〜

と、おかしな声がきこえてきた。

じいさまが、あたりをみわますと、つぎつぎとかっぱが現れた。>

かっぱたちは、じいさまの草取りを手伝いはじめますが、
草をとりながら、じいさまのお尻を、ぴしゃっ ぴしゃっとなではじめます。

尻から肝をぬかれちゃかなわない。
じいさまは鉄瓶のふたをお尻にはさんでおいたから、
肝をとろうとしたかっぱたちも、鉄瓶のふたにはじかれてしまい、
「じいさまの尻はかねしりだ」と、肝をとるのをあきらめます。

草取りがおわり、ようやく相撲をとることになりますが、
かっぱどもの強いこと。

これじゃ体がもたないと考えたじいさまは、
かっぱたちにすもうで勝つ方法を思いつきます……。

鉄瓶をはさんで固くなったじいさまのお尻を「かねしり」と呼んだり、どこかユーモラスなかっぱたち。

思案したじいさまは、すもうの立ち会いで、「見合って見合って」とかっぱたちに頭を下げさせて、
かっぱの皿から水をこぼして、かっぱたちの力を弱め、見事かっぱたちを退散させます。

笑い話の民話を集めた紙芝居シリーズ「わらいばなしがいっぱい 」収録の1作。
12場面、小学校1・2年から楽しめます。

(渋谷勲 脚本/梅田俊作 画/松谷みよ子 監修)

かっぱのすもう

わらいばなしがいっぱい

かっぱのすもう

渋谷勲 脚本/梅田俊作 画/松谷みよ子 監修

すもう好きのじいさまが田の草とりをしていると、かっぱがつぎつぎやってきて、すもうをとろう、すもうをとろうといいます。

  • 小学1・2年~
  • 1984年9月1日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み