<埼玉県>5/17『ちっちゃい こえ』刊行記念イベントが行われました。

5月17日、埼玉県にある「原爆の図 丸木美術館」にてアーサー・ビナードさんの新作紙芝居『ちっちゃい こえ』の刊行記念イベントが行われました。平日にもかかわらず約200名のお客様がお越しくださり、ホールは熱気に包まれました。


ビナードさんご自身による『ちっちゃい こえ』の実演のあと、デザインを手がけた美術家・谷口広樹さん、丸木俊さんの姪であり絵本作家の丸木ひさ子さん、「原爆の図 丸木美術館」の学芸員・岡村幸宣さんが登壇し、トークが行われました。

ビナードさんは、「原爆の図」を鑑賞するための美術作品ではなく、観る人を傍観者から当事者へと引き込む装置なのだと感じたそうです。そしてそれは、来日まもないビナードさんをひきつけた、観る者を巻き込む力をもつ紙芝居とつながり、7年前に本作の制作がはじまりました。


本作では「原爆の図」から絵を切り取り、工夫を加え紙芝居の絵として再構成しています。絵と脚本とを何度も何度も行き来しながら、ビナードさんは物語を紡いでいきました。

絵の工夫や仕上げ、デザインを手がけた谷口さんからは、さまざまなエピソードが紹介されました。「覚悟が必要な仕事でした。作品に深く携わっていくほど、『原爆の図』に迎え入れられていくように感じました。丸木俊さん、位里さんから応援してもらっていると思えてきて。お二人の絵は、どんなに手を加えても壊れない強さがあります。」と、充実した制作期間を思い返しつつ語ってくださいました。

絵を切り取り、再構成していったことについて、著作権継承者である丸木ひさ子さんは、「アーサーさんがこの作品でやろうとしたことと、丸木位里・俊が『原爆の図』でやろうとしたことが同じだと感じたのです。『原爆の図』にこめられたものをこれから若い人たちにも伝えていくために、可能性を狭めてはいけないと感じました」とおっしゃり、「丸木位里と俊が生きていたら、『おもしろいんじゃないの』と誉め言葉として言うと思います」という言葉には、客席から大きな拍手が起きました。

学芸員の岡村さんは、「『原爆の図』が紙芝居になったのは初めてのこと。アーサーさんの創作の様子を近くで見てきたけれど、『原爆の図』をもとにしながら、詩人ならではの“宙返り”をして、すばらしい作品になったと思います。たくさんの方に演じていただきたいです。」と観客に呼びかけました。

ご来場の皆様とともに、丸木俊さん、位里さんの絵に囲まれながら「原爆の図」の持つ力を改めて感じ、『ちっちゃい こえ』という作品にたどり着いたアーサー・ビナードさんの思いを共有する、すばらしいひとときとなりました。
ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

「原爆の図 丸木美術館」では、7月20日~9月1日まで、本作の制作の秘密をたどる企画展「紙芝居ができた!」が開催されます。8月17日にはビナードさんも来場され、実演の予定です。こちらもぜひお楽しみに。

ちっちゃい こえ

単品紙芝居

ちっちゃい こえ

アーサー・ビナード 脚本/丸木 俊・丸木 位里 絵/「原爆の図」より

ネコが語ります。家族のこと。命をつくりつづける、体の中のちっちゃい声のこと。ヒロシマのこと…。わたしたちはどうすれば生きていけるのか? 美しい絵から響いてくるそのこたえに、一人ひとり耳をすます紙芝居。
『ちっちゃい こえ』プロモーション動画はこちら

『ちっちゃい こえ』紹介リリース

  • 小学3・4年~
  • 2019年5月20日初版
  • 定価2,970円 (税込)
  • 立ち読み