おしいれの秘密

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“黒い表紙の秘密”や読みきかせのポイントがわかる。




黒い表紙の秘密


「おしいれのぼうけん」は、おもしろくて、こわくて、しかもぼうけんという、子どもたちが大すきなものがつまっている絵本です。1974年の刊行からずっと日本中の子どもたちに喜ばれてきました。この本が出版された時には、黒い表紙の本は売れないというジンクスがあったそうです。でもこの黒は、おしいれの中ではじまるこわいぼうけんの世界を表しているのです。この表紙が子どもたちの記憶にしっかりきざまれていることは、広末涼子さんのインタビューの中にも語られています。

 
   
Illustration by Seiichi Tabata

こわいぞ"ねずみばあさん"


「おしいれのぼうけん」は「ここは さくらほいくえんです。さくらほいくえんには、こわいものが ふたつ あります。ひとつは おしいれで、もう ひとつは、ねずみばあさんです。」とはじまります。
このねずみばあさんは、さくらほいくえんの先生が演じる人形劇にでてくるのですが、とてもこわいのです。ねずみばあさんがにらむと、ねこはうごけなくなってしまいます。そして、おしいれの中の世界では、主人公の二人に「あやまらないなら、ねずみにする」なんていうのです。このねずみばあさんとどうやって、二人は対決するのでしょうか。
「おしいれのぼうけん」を読んだ子どもたちは、みんなねずみばさんのこわさにふるえながらも、また、会いたいと思うのです。
   
     

"ふるたたるひ 
たばたせいいち・さく"って?


「おしいれのぼうけん」は、ふるたたるひ・文 たばたせいいち・絵ではありません。その意味を作者の1人古田足日先生はこのようにいっています。「二人の『作』としたのは、取材の始めから二人(編集者を入れて三人)で仕事をしている、話の展開の中にも田畑のアイデアがあり、絵についてもぼくの意見がある、こういうつくり方は「古田文・田畑絵」では表せないと考えた結果である。」
(全集古田足日子どもの本 5巻 あとがきより)
   
     

読みきかせのポイント


「おしいれのぼうけん」はB5判で79ページある絵本です。一般的な「絵本」よりもかなりボリュームがあります。
この絵本を子どもが自力で読んで、楽しめるようになるのは小学校の2年生くらいです。でも、お話の内容は3歳からでも楽しめます。1回で読みきれない時には、何回かに分けて読んでもよいでしょう。
子どもから何度も読んでとせがまれて、こまってしまったというおかあさんや保育士さんからの声もよくききますが、その都度読んであげてください。子どもは、好きな本は何度でも楽しむものです。「前にも読んだでしょう」という言葉は禁句です。
読む時には、とりたてて大げさに感情をこめる必要はありません。ただ、楽しみながら読むことを忘れないでください。