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とどける人

牧野幸枝
浦安市立東野保育園

相手の顔を見て喜怒哀楽を感じとる赤ちゃんにとって「いないいない」は一大事!! 「いないいない」で眉をしかめ「ばあ」でニッコリ一安心。そんな表情をくり返して読み終えると人差し指を1本見せて「もういっかい」のサイン。わくわくした表情で絵本を見つめ、ページをめくる度に拍手や声を出して喜んでいます。「ぼくね、つぎどうなるかしってるよ」「ほーらね」そんなつぶやきが聞こえてきそうです。くり返し見たいと目的を持ち「ばあ」となることを期待して喜び、安心感を得る。その思いが叶う積み重ねが学ぶ楽しさや自信となっていくのかもしれません。決して大袈裟ではなく幼な子にとっての沢山の学びがこの絵本には詰まっています。
のんちゃんが出てくる時、それまでのくり返しから子ども達はまず左のページののんちゃんを見ます。「いない」ではなく「ばあ」となっていますが、その頃にはみんな自分の目を隠してから見るので「いないいないばあ」が成立しています。それから右のページに顔を隠しているのんちゃんを見つけ、一気に視野の広がりを感じます。赤ちゃんは、こっちにいたと思うのか、別の子が2人いると思うのか…。
赤ちゃんにしかわからない。絵本を大好きになる。魔法のしかけが沢山つまっている絵本です。