好評紙芝居

あのじのまほうつかい

井出村由江 脚本/中根明貴子

あ.のじのまほうつかいが、あさがおの花にまほうをかけると、花があ.のじに変身、ありの行列も並んだままであ.のじに変わったよ。

  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 初版:1992年2月1日
  • 判型:B4判/サイズ:26.5×38.2cm
  • 頁数:12場面
  • 3歳~
  • ISBN:978-4-494-07525-6
  • NDC:913

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内容説明

あ.のじのまほうつかいが、あさがおの花にまほうをかけると、花があ.のじに変身、ありの行列も並んだままであ.のじに変わったよ。

推薦のことば

書き言葉との出会い「あさがおのあ」~言葉へのイメージを豊かに~ 2014年1月31日
 書き言葉を覚えはじめた五、六歳から小学校低学年の子どもたちと、よく楽しんでいます。子どもたちは魔法使いが大好き。明るい表情の魔法使いに第一場面からワクワクと引きこまれ、笑いや驚きの声がよく出ます。
 ひらがなの一文字「あ」それだけでは何の表情も意味もないのに、「あ」の字を声に出してさまざまな音を表現すると、文字そのものが表情を持ってくるからふしぎです。書き言葉を獲得する前に、話し言葉を豊かにしていってほしい年齢の子どもたちには、「あ」はただの記号ではなく、「あさがお」の「あ」であり、「あひる」の「あ」であり、「あり」の「あ」なのです。具体的な知っているものをイメージしての「あ」であり「い」なのです。
 記号として覚えこむ前に、話し言葉の世界を豊かにし、イメージをふくらませて成長し土台にして、やがて書き言葉としての文字を獲得して学んでいってほしい。そうして、「あり」の「あ」を確認しながら「あり」を認識して文字を書く時、文字が子どもにとって生きたものになっていきます。そして学ぶ喜び、生きる喜びとなっていくのだと思います。
 紙芝居を楽しんだあと、子どもたちのなかに共感の喜びとともに、言葉さがしのあそびが広がっていきます。言葉へのイメージを広げ、文字との出会いを大切にされてきた実践のなかから生まれた、すぐれた小学校教師の井出村由江さんの作品です。
堀川 美子(ほりかわ よしこ/紙芝居文化の会運営委員・紙芝居ピッポの会会員)