絵本・こどものひろば

ベッドにのってきょうりゅうのくにへ

まつおかたつひで 作・絵

人気絵本『ベッドのなかはきょうりゅうのくに』に続き、松岡達英さんがうつくしい恐竜の世界をファンタジックに描いた、夜のぼうけん物語。

わたし、恐竜がすきだから、恐竜のこといっぱい知ってるよ。ある夜、ベッドのうえでうとうとしていたら、ふしぎなことがおこった。窓がひとりでに開いて、ふわっとベッドがういて……「ひゃ~! ベッドが窓からとびだした!」わたしをのせて、ベッドはいつのまにか大むかしの大陸の上をとんでいた。そこは、白亜紀の南アメリカ大陸。
わたしはアルゼンチノサウルスのむれが大いどうしていた。
肉食のカルノタウルスにおわれているこどもを助けたら、アルゼンチノサウルスたちと仲良しになった。
「わたしたち、たまごをうむために旅をしているの」
「わたしもついていっていい?」
アルゼンチノサウルスの背中に乗って、やがてたどり着いた場所は……?

アルゼンチノサウルス、ギガノトサウルス、モササウルス類など人気の生き物が登場します。

  • 定価1,540円 (本体1,400円+税10%)
  • 初版:2025年6月23日
  • 判型:B5判/サイズ:19.1×26.6cm
  • 頁数:32頁
  • 3歳~
  • ISBN:978-4-494-02340-0
  • NDC:913

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内容説明

人気絵本『ベッドのなかはきょうりゅうのくに』に続き、松岡達英さんがうつくしい恐竜の世界をファンタジックに描いた、夜のぼうけん物語。

わたし、恐竜がすきだから、恐竜のこといっぱい知ってるよ。ある夜、ベッドのうえでうとうとしていたら、ふしぎなことがおこった。窓がひとりでに開いて、ふわっとベッドがういて……「ひゃ~! ベッドが窓からとびだした!」わたしをのせて、ベッドはいつのまにか大むかしの大陸の上をとんでいた。そこは、白亜紀の南アメリカ大陸。
わたしはアルゼンチノサウルスのむれが大いどうしていた。
肉食のカルノタウルスにおわれているこどもを助けたら、アルゼンチノサウルスたちと仲良しになった。
「わたしたち、たまごをうむために旅をしているの」
「わたしもついていっていい?」
アルゼンチノサウルスの背中に乗って、やがてたどり着いた場所は……?

アルゼンチノサウルス、ギガノトサウルス、モササウルス類など人気の生き物が登場します。

書評

ベッドにのってきょうりゅうのくにへ 母のひろば734号 2025年7月15日発行
 私は子どもの頃から、眠りに就くまで空想にふける習慣があって、これが八十過ぎの現在まで続いています。十歳の夏、図書館で、二〇〇年前に進化論を唱えたダーウィンと同時期、熱帯アジアの生物観察から進化論を考えていた、アルフレッド・R・ウォーレスの探検記『マレー諸島』に出会いました。それからというもの、世界の熱帯地域で昆虫を追いかける夢を抱くようになり、その流れで、昆虫を中心に世界の自然をテーマに海外取材をしながら、絵本を創りはじめ、現在にいたります。
 私はいつもすばらしい星、地球に生まれてよかったと思っています。植物、昆虫、鳥、魚、爬虫類、哺乳類と、大昔から現在まですごい数の生き物が生存してきました。そしてそのほんの一瞬、人間として生きられる喜びと感動を絵本にしようと努力しています。
 今回描いた絵本の中で、恐竜が大好きな少女がタイムスリップした先は、白亜紀後期(九五〇〇万年前)の南アメリカ大陸です。ここにもアマゾン川流域と同じように、広大なジャングルがあったと思われます。何しろアルゼンチノサウルスやプエルタサウルスのように超巨大な草食恐竜が大きな群れでいたわけですから。
 現在の地球では、アルゼンチンとチリの南部に位置し、氷河が海岸まで押し寄せているパタゴニアと呼ばれる寒冷な地です。数年前、私は夏のパタゴニアを訪れ、その手付かずの自然の豊かさに驚きました。マゼランペンギンの営巣地・プンタトンボの岬では、広大な草原に巣穴が掘られ、ペンギンが穴の前に立っていたり、穴から顔をのぞかせたりしていました。海に突き出した崖には数百もの群れが、次々に採餌のため眼下の海に飛び込んでいました。草原には飛ばない鳥類レア、ラクダの仲間グアナコ、ウサギにも似たネズミの仲間マーラ、上空にはアンデスコンドルが舞っていました。遠くの雲間に見えるのこぎりの歯のように切り立った山から氷河の流れが広大な草原に消えます。ここに巨大な恐竜の群れがいても、何ら不思議はないと思えるほどの、悠久の風景でした。
松岡達英

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