シェーラ姫の冒険 愛蔵版

シェーラ姫の冒険(上)
愛蔵版

村山早紀 著/佐竹美保

故郷の王国は、悪い魔法使いの手によって何もかも石になってしまった。心優しき怪力の姫シェーラザードは、王国を救う知恵を求めて、幼なじみの魔法使いファリード、泥棒の少年ハイルとともにはるかな旅へ。

  • 厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財(2020年)
  • 定価1,980円 (本体1,800円+税10%)
  • 初版:2019年3月15日
  • 判型:A5判/サイズ:21.5×15.3cm
  • 頁数:367頁
  • 小学5・6年~
  • ISBN:978-4-494-01831-4
  • NDC:913

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フォア文庫版刊行から20年、多くの読者に支えられた剣と魔法の長編ファンタジー。悪の魔法使いサウードによって、すべてを石に変えられてしまったシェーラザード国。この魔法を解くために旅立ったのは、怪力の姫君シェーラと、魔法使いの少年ファリード。伝説の魔法の杖を求めて、七つの魔法の宝石を探す旅が始まります。元泥棒の少年ハイルと出会い、旅を続ける子どもたち三人は、大切な人々との出会いを重ねて冒険を続けます。

内容説明

故郷の王国は、悪い魔法使いの手によって何もかも石になってしまった。心優しき怪力の姫シェーラザードは、王国を救う知恵を求めて、幼なじみの魔法使いファリード、泥棒の少年ハイルとともにはるかな旅へ。

読者の声

読者さま

本当に自分が子どもの頃に出会えていたらなあ、と思ったのだけれど、魔法にかけられるのはいくつになってからでも、遅くない。(レビュアー・女性)

個人的にはファンタジー小説は苦手で、子どもの頃から思い出してみても、ブームに乗って読んだハリー・ポッターくらいなものである。
そして十分に『いい大人』と言える年齢となって、今さら魔法や冒険に満ちあふれたファンタジー小説を読むことになるとは、夢にも思わなかった。つまり、期待もなくただ読んでみようか、と言うほんの軽い気持ちで読み始めたのである。
しかも、今回、私は上巻を読んでいない。主人公はシェーラと言うお姫様であり、何やら悪い魔法使いと戦うストーリーらしい、と言う前知識しかなく、よくある子ども向けのそれであろうと言うような気持ちで読み始めたら、あろうことか、一気に読み進めてしまうほど夢中になってしまったのだ。
幾多の困難も、その勇気と友情で立ち向かっていくシェーラ姫とその仲間の冒険は、時に切なく、時にコミカルで、『いい大人』であるはずの自分が、そう、まるで魔法をかけられて、遠い昔の少女だった頃に戻ったような、ときめきとわくわくに出会えたのだから、これはもう、村山先生の魔法にかけられてしまったとしか思えない。
本当に自分が子どもの頃に出会えていたらなあ、と思ったのだけれど、魔法にかけられるのはいくつになってからでも、遅くない。
読者さま

「うわー!ここで終わりかー!」(レビュアー・女性)

人気があった児童書の復刻版として、今回上下巻で刊行されるこの作品、今回は上巻を拝読することができました。
その上巻であるこのゲラを読み終えて、つい口に出た言葉が上の言葉です。
 人間の世界を滅ぼし魔物の世界を作ろうとしている悪の魔法使いサウードの呪いで、王国全体を石に変えられてしまった一人のお姫様がいました。普通ならばさめざめと泣いて途方にくれてしまうような凄まじい体験です。しかし、このお姫様はとても優しく勇敢な娘でした。自らの手で王国や人々を助けようと、そのために必要な魔法の杖、そして七つの宝石を探す旅に出かけます。
 可愛い見た目からは想像もつかないほどの怪力の持ち主で、とてもお転婆なシェーラ姫は、幼なじみで心配性な魔法使いファリード、旅の途中で出会った元泥棒ハイルとの三人組で旅を続けていきます。

粗筋をざっくりいうとこんな感じでしょうか。

 宝石は様々な場所にちりばめられていて、それぞれの宝石に関与する行く先々で彼女達は様々な人と出会います。
宝石と繋がる人々は皆、シェーラ姫の魅力に心引かれていきます。勇気と真の優しさ、諦めない強さを持つ彼女にだからこそ、周りの皆は彼女を信じ、彼女の助けになりたいと思うのだと思います。そして、彼女にはそんな風に人を引き付けるだけの大きな力があるのでしょう。

そんな風に、引き付けられてやまないのは読者である私達も同じではないでしょうか?

子供も大人も楽しめる、とてもあたたかく、優しいファンタジーです。
幼い頃に読んだ皆さんは勿論、沢山の子供達がシェーラ姫と共に冒険の旅に出掛けてほしいと心から願ってやみません。
読者さま

読むとシェーラ達と一緒に旅をしている気持ちになります(レビュアー・女性)

久しぶりに子どもむけのファンタジーを読みました。
勇気や決断力があるけど無鉄砲なシェーラ姫、そんなシェーラ姫のストッパー役でもあり思いを寄せているファリード。
ワクワクすることがしたいとシェーラ達の仲間になるハイル。
シェーラの行動にハラハラしながら読みました。
シェーラ達と敵対する関係にある魔法使いサウード。
読み進めていくうちにサウードも、なんとなく憎めないなぁ…なんて気持ちも芽生えてきました。
読むとシェーラ達と一緒に旅をしている気持ちになりますよ。
読者さま

エールを送りたくなる(レビュアー・女性)

百貨店や書店を舞台にした心温まる小説が多いイメージの村山さん。今回は魔法使いやお姫様が出て来るファンタジーだった。シェーラザード王国のシェーラ姫は、幼馴染の魔法使いファリードと共に、悪い魔法使いによって石に変えられた王国と両親を救うため、「七つの鍵」という七色の宝石を探す旅に出る。身を護るのは指にはめた魔法の指輪のみ。悪い魔法使いの妨害も頻繁におこるが、途中で仲間になったハイドたちとともに、苦難だらけの宝石探しの旅は続く。
 さらりと読めるお姫様が活躍する冒険小説だ。後半がどうなるのか、とても気になる。正義と優しさを持ったシェーラ姫が、仲間たちと力を合わせて宝石探しの旅をする様子にエールを送りたくなるだろう。
読者さま

シェーラ姫と一緒なら、きっとなんとかできると信じられる、そんな素敵な物語(レビュアー)

かつて、たくさんの子どもたちが魅了された物語。
初読みの大人も、最初の数ページでわくわくする冒険の旅の仲間となりました。
旅の仲間たちを、様々な景色、数々の出会いが待ち受けています。
悲しいことやつらいこともあって、順風満帆というわけにはいきません。
それでも、シェーラ姫と一緒なら、きっとなんとかできると信じられる、そんな素敵な物語です。
読者さま

ワクワク、ハラハラ、ドキドキの大冒険。(書店関係者・男性)

砂漠の王国・おてんば姫のシェーラが、少し頼りない幼なじみの魔法使いファリード、かっこつけたがりの元・少年盗賊団のハイルと魔法の宝石を求めて大冒険にとびだします!
幽霊のいる海賊船、空に浮かぶ都市など不思議な場所でいろんな人々に出会い、冒険し、成長していきます。
はたしてシェーラは悪い魔法使いサウードに石にされてしまった砂漠の王国のみんなを助けることができるでしょうか?
読者さま

ファンタジーが好き、魔法が好き、冒険がしたい、という人にぜひ読んでほしい。(書店員・女性)

今のファンタジーやマンガの世界の原点がここには沢山詰まっていると思う。
シェーラ姫達の冒険に登場する場所も道具も、どれもが、今もマンガや小説に出てきそうなものばかりで、シェーラ姫達の冒険は読んでいる間、ずっとアニメの様に映像が頭の中でながれ続けていて、アニメやゲームの世界に近い感じがした。まるでVRのようだ。
ファンタジーが好き、魔法が好き、冒険がしたい、という人にぜひ読んでほしい。
読んでいる間はドキドキとワクワクとハラハラが止まらない、ページをめくって冒険するという体験を子供にも大人にもしてほしいと思う。
読者さま

子供向けとしての作品でもありますが、大人になっても子供の頃に読んだようなドキドキ、ワクワクする冒険物語を思い出させてくれます(レビュアー)

アラビアンナイトの世界観で紡がれる小さな姫たちの冒険譚。
空飛ぶ絨毯や魔神の助けを借りて、失われた国を救うため、七つの宝石を探す旅に。登場人物たちは魅力的で優しく、悪い魔法使いさえもどこか憎めない。
王道とも言えるファンタジーとわかりやすい文体で、子供向けとしての作品でもありますが、大人になっても子供の頃に読んだようなドキドキ、ワクワクする冒険物語を思い出させてくれます。
トントン拍子には進まず様々な苦難もありますが、どこかなんとかなりそうな、ゆったりとした安心感があります。
登場人物すべてに優しい結末が来るように応援したくなる物語です。

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