あいうえおのえほん
「あまがえる あめより あめの あまやどり」「こんどるで こんどる こんどにしよう」文字だけ見ても何のことやら。ただし、絵本でみると、思わず納得。絵と文で楽しむ絵本の本質に気づかされます。リズミカルな言葉あそびに導かれて、しまいには声を出して笑ってしまいます。
「言葉ってこんなにおもしろいんだ!」
言葉の入り口に立った子どもたちがくり返し楽しめる一冊。
内容説明
言葉の入り口である「あいうえお」を、楽しく可笑しく表現。上質な笑いを「あいうえお」に乗せてお届けします。
関連情報
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2019/10/24
<福岡>絵本作家・西村繁男 原画展
新作絵本『たたたん たたたん』をはじめ、数多くの絵本を描いている西村繁男さんの絵本原画展が、岡垣サンリーアイ「図書館まつり2019 ~ふしぎの国からの招待状~」において下記日程で開催されます。『おば ...
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推薦のことば
- 親戚のおじさんの笑い 2012年10月29日
- 『あいうえおのえほん』は楽しかったです。
内田さんは言葉の格闘技よろしく言葉をぎゅうぎゅう押さえつけています。言葉の方も内田さんに押さえつけられまいと何とか逃げだします。内田さんが言葉の上に乗っかってきても、言葉は右にはみでたり左に逃げこんだりして内田さんと闘っています。
持久戦です。やがて言葉の方が体力負けして降参して言葉遊びが出来あがっていきますが、内田さんの言葉遊びはこれほどの力技にもかかわらず痛い感じがしません。それは内田さんが言葉に愛を持っているからです。言葉に大それた笑いを求めるのではなく、くすっと親戚のおじさんの笑いが込みあげてきます。お母さんに感じるような強い愛ではなく、親戚の大好きなおじさんに感じるさらっとしていても長つづきのする愛なのです。
おばけも/おどろく/おけらの/おなら/とか、こんどるで/こんどる/こんどにしよう/とか、ぬすっと/ぬきあし/ぬけない/ぬかるみ/は箱根細工の職人のような名人芸ではありませんが、温か味があって、庶民の言葉のありようと地つづきのところにあります。西村さんも内田さんの温か味のある言葉遊びにひっぱられて、ぎゅうぎゅう詰めでありながらもまったく息苦しさのない、楽しい絵になっています。 - ねじめ 正一(ねじめ しょういち/詩人、小説家)