かみしばい ひゅ~どろどろ おばけセット (全6巻) 

在庫僅少

常光徹 監修

こわいけれど、そのドキドキが楽しい! 子どもたちはお化けが大好きです。日本各地に伝わる妖怪の伝承を基に、幅広い年齢の子どもたちが楽しめるセットができあがりました。みんなで一緒に見ることで、こわいものも乗りこえていける、子どもたちの成長にぴったりの紙しばいです。

  • 揃定価11,220円 (本体10,200円+税10%)
  • 初版:2012年7月10日
  • 判型:B4判/サイズ:26.5×38.2cm
  • 頁数:8場面または12場面
  • 3歳~
  • ISBN:978-4-494-07199-9
  • NDC:913

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内容説明

こわいけれど、そのドキドキが楽しい! 子どもたちはお化けが大好きです。日本各地に伝わる妖怪の伝承を基に、幅広い年齢の子どもたちが楽しめるセットができあがりました。みんなで一緒に見ることで、こわいものも乗りこえていける、子どもたちの成長にぴったりの紙しばいです。

てんぐのかくれみの

かみしばい ひゅ~どろどろ おばけセット

てんぐのかくれみの

常光徹 脚本/長野ヒデ子

てんぐをだまして、かくれみのを手にいれた彦一は、姿をけして、あちこちでいたずらをします。ある日、みのが燃やされますが、彦一が、かくれみのの灰をかぶると……思った通り、姿がきえたのです!

  • 3歳~
  • 2012年7月10日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み
ちょうちんおばけ

かみしばい ひゅ~どろどろ おばけセット

ちょうちんおばけ

やえがしなおこ 脚本/市居みか

「あかりのいるひといないかな〜。てらしてあげるよ〜」ちょうちんおばけがきいても、「ひゃあ、おばけえ!」みんなこわがって逃げていくだけ。でも、おじいさんは…。人の役に立ちたい、かわいいおばけのお話。

  • 3歳~
  • 2012年7月10日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み
ひっぱりぬまの かっぱ

かみしばい ひゅ~どろどろ おばけセット

ひっぱりぬまの かっぱ

津田真一 脚本/松成真理子

ザワザワザワ……なまあたたかい風がふく日、さんきちが沼で出会い、すもうをとったのはかっぱだった! また会ったら沼にひっぱりこまれる。そう思った母親は、三吉に仏の飯を食べさせます。するとかっぱは……。古くから民衆に語り継がれてきたかっぱ。地域によって呼び方も変わります。このお話では、妖怪本来の怖いかっぱを描いています。

  • 3歳~
  • 2012年7月10日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み
  • 重版中
にゅうどう ぼぼーん

かみしばい ひゅ~どろどろ おばけセット

にゅうどう ぼぼーん

千世繭子 脚本/伊藤秀男

だいちゃんがクリひろいに出かけると、ふしぎな光が飛んできて、ぼぼーんと、あらわれたのは大入道! びっくりして見上げると、ますます大きくなっちゃった! 大入道は「あそぼうか〜」っていうけれど、どうする?

  • 2歳~
  • 2012年7月10日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み
ろくろくびのおかあさん

かみしばい ひゅ~どろどろ おばけセット

ろくろくびのおかあさん

苅田澄子 脚本/中谷靖彦

「ろくちゃーん、どこ~?」ろくろくびのおかあさん、くびをひゅ~、とのばして子どもをさがしますよ。車の上をひゅ~、デパートの屋上をひゅ~、遊園地の観覧車をきょろきょろひゅ~、どこにいるの~?

  • 3歳~
  • 2012年7月10日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み
おばけのゆきがっせん

かみしばい ひゅ~どろどろ おばけセット

おばけのゆきがっせん

おおたか蓮 脚本/ひろかわさえこ

寒い冬の日、いったんもめんやゆうれい、ろくろくびにひとつめたちが集まって、寒い寒いとおおさわぎ。そこへ「雪女にひどい目にあった」とのっぺらぼうがやってきた。みんなで雪女の家へ文句を言いに行くと…。

  • 3歳~
  • 2012年7月10日初版
  • 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
  • 立ち読み

推薦のことば

妖怪と想像力 2012年10月17日
 天狗、河童、大入道など妖怪の種類は多いが、妖怪とは何かと聞かれるとなかなか答えづらい。あえて言えば「ふしぎな現象をもたらす超自然的な存在」といったところだろうか。現在、妖怪という呼び名が広く用いられているが、これは明治以降に広まったもので妖怪博士といわれた哲学者の井上円了(1858~1919)の影響が大きいといわれる。江戸時代には化け物(幼児語でお化け)という言い方がふつうだった。また、地域によってもさまざまで、東北地方を中心にモッコ、モウモウなどと呼び、西日本ではガンボウとかガガモなどと呼ぶところがある。はやくから妖怪研究に取りくんだ柳田國男(1875~1962)は、こうした呼び名の由来について、妖怪が「咬もうぞ」といって出現すると信じた時代があり、それからモッコやガンボウなどに変化したのではないかと推測している。
 妖怪の誕生には、ふしぎな現象に対する人々の想像力が深くかかわっている場合が少なくない。たとえば、夕方になると、橋のたもとでショキショキと何やらふしぎな音が聞こえてきたとしよう。その音がどこか小豆をとぐ音に似ているところから、だれ言うとなくアズキトギというようになり、やがてアズキトギというおばあさんが小豆をといでいる音だという話が生まれる。つまり、原因不明のふしぎな現象に名前がつけられ、さらに、姿かたちがイメージされて超自然的な存在としての妖怪が誕生するという道筋が考えられる。
 妖怪には、長い年月をかけて語りついできた先人の、汲めども尽きぬ豊かな想像力と知恵が宿っている。ふしぎな現象や不安をもたらす存在である妖怪を、遊びの対象として楽しむ風潮がうまれたのは江戸時代の中ごろである。都市を中心に化け物双六やカルタがつくられた。妖怪は怖いだけでなく、はやくから子どもたちのあそび友だちでもあった。
 今回の「ひゅ~どろどろおばけセット」でも、伝統的なお化けたちが新しい趣向のもとに登場し、一味ちがう新鮮な世界をつくっている。たとえば、『てんぐのかくれみの』は、とんち者の彦一が天狗をだまして隠れみのを手にいれるというよく知られた昔話。空中に浮いたヤカンからお茶がそそがれたり、突如、口お化けがあらわれるなど、ふしぎなできごとの背後に、姿の見えない彦一のいたずらを想像する楽しさにあふれている。『ひっぱりぬまの かっぱ』は、さんきちを沼に引きこもうとする河童を仏飯の威力で退散させ、宝物を手にいれる話。人を水中に引きこむという行為は、水難事故など水がもたらす怖さの投影といってよい。河童の民話には、水がもっている恐怖と豊かな恵みという二つの面が読みとれる。
常光 徹(つねみつ とおる/国立歴史民俗博物館)