シェーラ姫の冒険 愛蔵版 (全2巻) 

村山早紀 著/佐竹美保

フォア文庫版刊行から20年、多くの読者に支えられた、剣と魔法の冒険ファンタジー。村山早紀の原点とも言える代表作を、装いも新たにお届けします。物語を読む喜びが味わえる、世代を超えて愛されている冒険ファンタジー。フォア文庫版「シェーラひめのぼうけん」を底本とし、大幅に加筆しています。

  • 厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財(2020年)
  • 揃定価3,960円 (本体3,600円+税10%)
  • 初版:2019年3月25日
  • 判型:A5判/サイズ:21.5×15.3cm
  • 小学5・6年~
  • ISBN:978-4-494-04600-3
  • NDC:913

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石に変えられた故郷を元に戻すべく、伝説の魔法の杖を求めて、七つの魔法の宝石を探す旅に出たシェーラ姫とファリード、ハイルの子どもたち三人は、大切な人々との出会いを重ねて冒険を続けます。仲間と力を合わせてさまざまな苦難を乗り越えていきます。そしてついに、七つの宝石が揃い、魔法の杖を手に入れるのですが、さらに大きな試練が襲いかかります……。生きること、それは、大切な人を愛すること。仲間を信じること。

内容説明

フォア文庫版刊行から20年、多くの読者に支えられた、剣と魔法の冒険ファンタジー。村山早紀の原点とも言える代表作を、装いも新たにお届けします。物語を読む喜びが味わえる、世代を超えて愛されている冒険ファンタジー。フォア文庫版「シェーラひめのぼうけん」を底本とし、大幅に加筆しています。

読者の声

読者さま

自分の中で宝物としてしまわれていたお話(27歳・女性)

「新シェーラひめのぼうけん」と合わせて、大好きなシリーズです。図書館で何度も借りて読みましたが、やがて除籍となってしまい、買い揃えたくても新刊はなかなか手に入らず、愛蔵版の発行を知ったときは本当に嬉しかったです。読んでいた当時、新しいものが出るとまず表紙の絵を眺めるほどでしたので、欲を言えば当時の表紙絵も収録して欲しかったというのが本音です。でも、新しい描き下ろしの表紙もとても素敵で、もちろんお話も変わらず素敵で、読んでいるとあの頃の気持ちが思い出されます。装幀もとても立派で、自分の中で宝物としてしまわれていたお話を本当に手に取れる宝物にして下さったようで、嬉しいです。ありがとうございました。
読者さま

シェーラ姫が好きな人がこんなにたくさんいたんだと知ったことも嬉しかったです(21歳・女性)

初めて読んだ子供の頃は、魔神ライラを呼び出す呪文を覚えてライラが私の前にも現れてくれないかなあと願いながらこっそり一人のときに唱えたりしていました。愛蔵版が出版されることによって、シェーラ姫が好きな人がこんなにたくさんいたんだと知ったことも嬉しかったです。
読者さま

これからもくりかえし心に残り思い出す作品になりました。(28歳・女性)

もう10以上前に読んで、本当に夢中になって読んでいたこの作品が、愛蔵版で再び本屋に並んでいたのを偶然見つけ、即購入しました。大人になってから再読しても、やはり面白く、悲しくなったり切なくなったり、胸があつくなる思いになって、いつまでも、これからもくりかえし心に残り思い出す作品になりました。
読者さま

あの頃とは違う感覚でシェーラたちの旅を追うのが、また新しい冒険になりました。(20歳・女性)

『シェーラひめのぼうけん』は、私にとってとても思い出深い本でした。学校図書館の絵本コーナーの住人だったころ、めぼしい絵本を読み尽くしてしまってもっと読んでも読んでも読み終わらない本が読みたくて、学年が上のお兄さんお姉さんがいる913の棚に足を踏み入れました。そこで目を惹いたのが、深緑の背に宝石が映えた美しい本。図書館版の『シェーラひめのぼうけん』でした。 小学生だったあの頃は手元に置けず、お金を稼げるようになった頃には手に入れるのが困難になっていました。今回の愛蔵版が本当に嬉しいです。シェーラがお姉さんだったあの頃から、気がつけばサウードと同じ年に。あの頃とは違う感覚でシェーラたちの旅を追うのが、また新しい冒険になりました。
読者さま

大人になった今でも大好きす!

先日発売された、「シェーラ姫の冒険 愛蔵版」購入することが出来ました。小学生の頃に出会ったシェーラひめのぼうけんシリーズ、大人になった今でも大好きす。その大好きな本が愛蔵版として出版され、迷わず購入しました。 また大好きな本を読むことができて本当に嬉しいです。出版して頂いて本当にありがとうございました。 私のように子供の頃に読んでいたファンの皆さんの他、今の子供達にも是非読んで貰いたいです。 本当にありがとうございました。
読者さま

ファンとしてはこの上なく嬉しい!(20歳・女性)

小学校の頃に没頭したシェーラ姫の旅に、今回またご一緒させてもらった感覚で、今回の愛蔵版を読みました。 やはり変わらず大好きな作品です。西洋のお姫様のお話はありふれているけれど、このシェーラ姫のお話はアラビアンな物語なので、そんな世界観もたまりません。自分自身の成長の段階で、ふとした時にこのお話の情景を思い出すことがたくさんありました。 間違いなく、読み継がれていくべき作品だと思います! 新シェーラ姫の愛蔵版も、是非出していただきたいです! 値段が高くなってもいいので、シェーラ姫のしおりなどを挟んでいただけたら、ファンとしてはこの上なく嬉しいです…。
読者さま

読書を好きになるきっかけとなった本(17歳・女性)

シェーラ姫は、読書を好きになるきっかけの本です。 小学校のある朝の読書の時間になんとなく選んで読んだのがシェーラひめのぼうけんでした。 お姫様と仲間達が織り成す物語にすぐに惹かれて、ワクワクとときめきに満たされながら最終巻まであっという間に読んだの覚えています。 キャラ一人一人の長所短所をお互いに支え合いながら旅をする彼ら、純粋な友情と恋心、勇気などのきらめき、それらがシェーラ姫には詰まっています。 それから、本を楽しいと思うようになっていろんな本を読むようになりました。愛蔵版が出るということでとても楽しみでした。 あの頃よりも、本を読む時に感じるものが増えたので純粋に、とはなりませんでしたがとても懐かしみながら読むことが出来ました。 彼らにまた会えて嬉しかったです。
読者さま

時代を超えて心に届く愛蔵版!(書店関係者・女性)

空も飛べるシェーラ姫、七つの宝石、日本のファンタジーに、大人の私もわくわくします。地上のわたしたちは懸命に咲く花のようだと、シェーラ姫の姿から思いました。読みながら一緒に冒険ができて、本の中から大切なことを伝えてくれる。時代を超えて心に届く愛蔵版です。

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シェーラ姫の冒険(上)

シェーラ姫の冒険 愛蔵版

シェーラ姫の冒険(上)

村山早紀 著/佐竹美保

故郷の王国は、悪い魔法使いの手によって何もかも石になってしまった。心優しき怪力の姫シェーラザードは、王国を救う知恵を求めて、幼なじみの魔法使いファリード、泥棒の少年ハイルとともにはるかな旅へ。

  • 小学5・6年~
  • 2019年3月15日初版
  • 定価1,980円 (本体1,800円+税10%)
  • 立ち読み
シェーラ姫の冒険(下)

シェーラ姫の冒険 愛蔵版

シェーラ姫の冒険(下)

村山早紀 著/佐竹美保

シェーラザード王国が石になった日から長い長い旅を経て、シェーラ姫たちは伝説の魔法の杖を手に入れる。だが同じ頃、遠い砂漠の果てで〈闇の魔神〉が呪いの雄叫びを上げた。仲間とともに、最後の旅、最後の戦いへ!

  • 小学5・6年~
  • 2019年3月15日初版
  • 定価1,980円 (本体1,800円+税10%)
  • 立ち読み

書評

シェーラ姫と冒険 佐竹美保(母のひろば659号 2019年4 月15日発行)
 今回の愛蔵版のための表紙絵とロ絵を描くにあたって、20数年ぶりに、物語を再読しました。かなりの年月を経ているのに、シェーラ姫は相変わらずかわいくて、勇敢で、やさしくて、食いしん坊のお姫様です。彼女の旅に加わっていく仲間達の、シェーラ姫を慕う心の様も物語の中にキラキラと紡がれています。
 少しびっくりしました。還暦を過ぎた私が、過去の仕事の物語を読み返せば、きっと俯瞰した読みになると思っていましたから。砂漠を歩くシェーラとファリードとロバのシーンから始まるやいなや、いっきに物語の同行者になってしまいました。先が分かっているのにハラハラどきどきです。
 さて、10巻分の冒険の後、表紙絵を考えるのですが、本全体を包み込む絵のイメージは意外にはやく出すことができました。文庫版では表すのが難しかった、冒険がくり広げられる大きな世界、印象的な異国の風景をいくつかのパーツに分けて並べました。分かれていてもなんとなくつながっているように描くことで景色が広がり、時の経過も感じてもらえるような形にしました。
 文章では分かりにくいと思いますので、ぜひカバーをはずして広げてみてください。
 そして大きな問題は、キャラクターの顔でした。
 昔からそうなのですが、同じ顔が描けないのです。このシリーズを描いている間ずっと問題でした。同じ顔を描くために、新しい巻の仕事が入るたびに1巻目からそれまでの巻を広げて見ながら描いていました。それが20数年ぶりですから胃がキュッと……。
 愛蔵版の表紙絵で飛ぶシェーラの顔は、何度もなんども描き直した後の納得の顔です。文庫版のときよりも幼くなってしまったのは否めませんが、もはや孫のシェーラ姫という感覚なのです。
 表紙絵上下に大きく魔神ライラが飛んでいます。
 再読した後ライラの存在感がとても強く残り、描かずにはいられなかったのです。命のないシェーラ姫を身をもってこの世に戻したライラ、よくぞ孫を助けてくれた! という気持ちです。下巻の口絵は、ライラの王国のお城にある部屋です。村山さんはこの場面をとても優雅に、きらめく宝石のような文章で書かれています。ここをカラーで表現してみたいと思いました。想像力は無限ですが視覚化には限界があります。そこに近づこうと描くわけですが、それよりも描く楽しさをあらためて感じた場面です。
 よく出会う方々からこんなことをいわれます。──私、シェーラ姫を読んで育ちました──。とてもうれしいことです。
(さたけ みほ/画家)

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