絵本・ちいさななかまたち

チョコたろう

チョコたろう

立ち読み

カートにいれる

森絵都 ぶん/青山友美

「あまいあまいチョコを、みんなにくばっていらっしゃい。 苦いものや辛いものに、世界が負けないように」

旅に出たチョコたろうは“ちょこっと”チョコをさしだして、出会った人々を笑顔にしていきます。ところがある日、甘いものが大好きな盗賊団があらわれて…。

  • 定価1,404円 (本体1,300円+税)
  • 初版:2016年3月10日
  • 判型:B5変型判/サイズ:20.7×22.2cm
  • 頁数:32頁
  • ISBN:978-4-494-01550-4
  • NDC:913

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チョコのママから生まれたチョコたろうは、あまいチョコをくばる旅に出ます。旅先で出会った人たち、けんかをしている大人や泣いている女の子、盗賊団、みんなチョコを食べて、ふあーんと笑顔になります。

推薦のことば

平成の「太郎」は甘いのです (母のひろば625号) 2016年6月15日
 日本の創作市場において、近頃、めっきり影を薄めた存在がある。

 太郎、だ。

 ふりかえるに、私が子どもだった昭和40年代は、まだまだ太郎がのしていた。桃太郎。金太郎。浦島太郎。力太郎。ウルトラ兄弟ならぬ太郎一族が時代を牽引していたと言ってもいい。その姿形は違えど、太郎たちには1つの共通点があった。弱きを助ける、だ。

 村人を助ける。動物を助ける。そのために彼らは一肌ぬいだ。迷うことなく至極自然に自分を差しだした。そんな彼らの在り方が、知らず知らず私たちの心に刻んだものがあったのではないか、と今となっては思う。

 このたび上梓した平成生まれの『チョコたろう』は、歴代先達の足元にも及ばないへなちょこ太郎だ。ただチョコを配るだけ。誰とも戦わない。すぐに泣く。けれど「にがい」「からい」世界に甘味をもたらすために奮闘している点で、ほんの少しは太郎一族の血を継いでいると思いたい。

 見どころは、チョコたろうの造形。なんとも愛らしく香ばしい青山友美さんの絵は、甘いものを見ると人は心をとろんと和ませる、という事実を再確認させてくれる。もともと、子どもは「桃」よりも「金」よりも「チョコ」が好きなもの。ぜひ、試食がてらお手に取ってみてください。
森絵都/作家(著者)