いのち にぎわう ふゆみずたんぼ
かつて、渡り鳥の雁は日本の冬の風景であった。
1960年代、生息地の激減と乱獲のせいで、日本の雁は絶滅の危機に直面する。
1971年、天然記念物に指定され保護されることになる。著者は雁のねぐらとなる湿地の保全・再生に取り組む。
ラムサール条約登録湿地である宮城県・伊豆沼、蕪栗沼および周辺湿地を舞台に、渡り鳥を守り、本来あるべき日本の生物多様性を取り戻す「ふゆみずたんぼ」の取り組みを紹介。
- 「生物多様性の本箱」~みんなが生きものとつながる100冊~(国連生物多様性の10年日本委員会推薦)
- 定価3,190円 (本体2,900円+税10%)
- 初版:2010年1月29日
- 判型:A4判/サイズ:30.3×21.6cm
- 頁数:48頁
- 小学3・4年~
- ISBN:978-4-494-01162-9
- NDC:488
(もくじより)ガンってどんな鳥?/日本最大級のガンの越冬地 伊豆沼・内沼と蕪栗沼/農業との共生/ふゆみずたんぼの取り組み/全国に広がるふゆみずたんぼ etc
生物多様性、そして環境保全型農業、その両方に光明を見いだした「ふゆみずたんぼ」の取り組みを通して、日本およびアジア各地へと湿地のネットワークをつくり、その先に欧米スタイルではない、アジア発の環境保全のあり方を模索する著者から、未来をになう子どもたちへの提言です。
内容説明
かつて、渡り鳥の雁は日本の冬の風景であった。
1960年代、生息地の激減と乱獲のせいで、日本の雁は絶滅の危機に直面する。
1971年、天然記念物に指定され保護されることになる。著者は雁のねぐらとなる湿地の保全・再生に取り組む。
ラムサール条約登録湿地である宮城県・伊豆沼、蕪栗沼および周辺湿地を舞台に、渡り鳥を守り、本来あるべき日本の生物多様性を取り戻す「ふゆみずたんぼ」の取り組みを紹介。
書評
- 子どもと読書 2010年7・8月号 新刊紹介
- かつて日本全国に飛来していた渡り鳥のガンは、生息地の破壊や狩猟によって激減し、一時は絶滅の危機にあった。その後法律で保護され、数は回復したものの、夜を安全に過ごすことができる湿地が各地で消滅したため、限られた地域でしか見られなくなってしまった。
冬の田んぼは水を抜き、乾いているのがふつうだ。冬も水を張ったままにしておく「ふゆみずたんぼ」の取り組みは、ガンのねぐらとなる湿地を取り戻そうと、宮城県の蕪栗沼周辺で始まった。ところが「ふゆみずたんぼ」ではガンだけでなく水辺の生きものが倍増し、それが農業にも役立つことがわかってきた。
人と鳥との共生を目指す著者の熱意が伝わる写真絵本。データも豊富で読み応えがある。 - 新美景子
- 野鳥 2011年4月号 BOOKS
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