2020.03.06

〈連載〉春のおすすめ紙芝居②『おたまたまごろう』

春のおすすめ紙芝居を3回にわけてご紹介します。
第2回目は、おたまじゃくしがカエルになるまでを描いた、刊行から51年を迎えるロングセラー紙芝居です。

春のおわり、冬ごもりからぬけだしてきたトノサマガエルたちが、いっせいに歌い始めました。

 けろ けろ けろ
 けろ けろ けろ

池の中には、ほつぽつした目玉のようなまるいゼリー。
そう、トノサマガエルの卵です。



ゼリーの目玉は一日一日おおきくなって、ある日卵からつるりとぬけだしました。

 ちょろ ちょろ
 ちょろ ちょろ

 おたまじゃくしです。

その中の元気な一匹のおたまじゃくし、たまごろうがが泳いでいると、水草のかげから、たまごろうを食べようと、おそろしいヤゴが現れて……。

卵からカエルへの、身体の変化(変態)を美しい絵で繊細に描いた紙芝居です。




変化していくたまごろうの成長に、観客の子どもたちも大喜び。
小さな卵だったたまごろうが、おたまじゃくしになり、足や手がはえ成長していく喜びが、作品を見ている子どもたち自身の成長の喜びとも重なるのかもしれません。

成長していく命の不思議を見守る静かな感動を味わえる、春におすすめのロングセラー作品です。

絵は絵本「こぐまちゃんシリーズ」(こぐま社)でも知られる若山憲さん。
画家が作品にあわせて技法を使い分けた、味わいのある美しい絵です。
春の光あふれる作品の世界をどうぞゆったりとお楽しみください。

12場面/4・5歳から(金山美沙子 作/若山憲 画)
おたまたまごろう

こんにちは! ちいさないきもの

おたまたまごろう

金山美沙子 作/若山憲

池のそこで生まれた、ゼリーのようなたまごから、しっぽがはえて、おたまじゃくしになったたまごろう。すくすく成長しました。

  • 3歳~
  • 1969年6月1日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み