2019.12.22

〈新刊・定期紙芝居〉来年の干支「ねずみ」が登場する民話紙芝居『ひそひそねずみとおばあさん』

2020年は子(ねずみ)年! 新年にぴったりな、ねずみが登場する紙芝居をご紹介します。

「おいしいおこめが たべほうだい。
 いいところにすめて、ありがたいなあ。」

家の倉で、ねずみたちが、こんなおしゃべりをしているのを、偶然耳にしたおばあさん。
すぐにでもねずみを追い出そうとしますが、
おじいさんが追い出すのはかわいそうだと言うので、しかたなくそのままにしておくことにしました。

それからしばらくしたある日、おじいさんが重い病気になってしまいました。
おじいさんの大好きな小豆がゆを作ろうと、おばあさんが小豆をとりに倉に行くと、
また、ひそひそちゅうちゅう、ねずみたちのおしゃべりが聞こえてきました。

「もう なおらないの? しんじゃうの?」
「ああ。このままではな……。
 おんせんが かたまって できた ゆのはなを せんじて のませれば
 すぐに よくなるんだがなあ。」

おばあさんはびっくり仰天。
でも、半信半疑、物は試しと、山の温泉に湯の花を取りに行き、おじいさんにせんじて飲ませると、おじいさんはみるみる元気になりました。
二人は、ねずみがいてくれてよかったと喜びあいます。

ところが、その年の冬のこと。
おばあさんはねずみたちが大変な話をしているのを耳にします。
今晩、山火事が起きてこの倉も村も焼けてしまうというのです。
あることをすれば、村は助かるかもしれないというのですが……。

脚本は、津田真一さん。NHK・Eテレ「みいつけた!」「いないいないばあっ!」などのこども番組の制作、アニメーションの脚本や作詞など幅広い創作活動を行う他、紙芝居では『ひっぱりぬまのかっぱ』『しっぺいたろう』など評価の高い民話紙芝居も数多く手がけています。
本作は、ひそひそちゅうちゅうと話すねずみたちの会話が、村全体をまきこむおおさわぎに発展していくさまが、ユーモラスで楽しい作品です。
少しあわてもののおばあさんと、やさしいおじいさんのキャラクターの違いも魅力のひとつ。
ぜひ2020の干支にあわせて、演じてみてはいかがでしょうか。
2019年度定期刊行紙しばい ともだちだいすきシリーズ。12場面、3・4歳から。

(津田真一 脚本/夏目尚吾 絵)




ひそひそねずみとおばあさん

2019年度定期刊行紙しばい ともだちだいすき

ひそひそねずみとおばあさん

津田真一 脚本/夏目尚吾

くらにすみついたねずみたちが、ひそひそ話をしています。その話をこっそり聞いていたおばあさん。ねずみたちによると、ゆのはながおじいさんの病気にきくというのです。半信半疑で、ゆのはなをのませると……? 

  • 4・5歳~
  • 2020年1月1日初版
  • 定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
  • 立ち読み
  • 在庫品切・重版未定