2019.11.15

<新刊>こころがふっとかるくなる『あらいぐまのせんたくもの』

小学校1・2年生におすすめの「だいすき絵童話」シリーズ。こちらはすべての見開きに絵が入っていて、お子さんひとりでも楽しく読みきることができます。
絵本に親しんだ子どもが、スムーズに読みものの世界に入っていくことをめざしたシリーズです。

今日はシリーズ最新作、『あらいぐまのせんたくもの』をご紹介します。

おうちの洗濯機がこわれてしまったおばあさん。うまれて初めてコインランドリーにやってきました。
使い方を尋ねようと声をかけてみると、現れたのはなんとあらいぐま。

「かなシミ」というシミが染みこんでしまったハンカチを、いっしょに洗ってほしいと言うのです……。
洗濯機の中をせんたくものがぐるんぐるんと回る間、おばあさんはあらいぐまの「かなシミ」にまつわる話を聞きました。

きれいなハクモクレンの花が雨で散ってしまったこと。
友だちの大切なマフラーがほどけてしまい、けんかになったこと。

悲しいことがあるたび、あらいぐまはそのハンカチで涙をふいてきたのです。

おばあさんは、悲しむあらいぐまを「たのしみ」という言葉で励まします。

次の春、またきれいな花が咲くのがたのしみ。
友だちと会って仲直りするのがたのしみ。

おばあさんの言葉に、あらいぐまの中の悲しい気持ちはヒュッと引っ込んでいくのでした。

子どもの毎日にも、小さな「かなシミ」はどうしてもあるもの。
それから逃げずに、けれどただ悲しむだけではなく、おばあさんのように前向きに向き合っていくことの大切さが伝わる1冊です。
79ページ、小学校1・2年生から。

(大久保雨咲・作 相野谷由起・絵)

あらいぐまのせんたくもの

だいすき絵童話

あらいぐまのせんたくもの

大久保雨咲 作/相野谷由起

家の洗濯機がこわれてしまい、おばあさんはコインランドリーにやってきました。するとそこには1匹のあらいぐまがいました。「ぼくのハンカチもいっしょにあらってほしいの」。あらいぐまのハンカチには「かなシミ」というシミがついていました。洗濯を待つあいだ、おばあさんはたずねました。「どんなかなしいことがあったのか、おしえてくれる?」。あらいぐまは「かなシミ」の理由をおばあさんに話してみることにしました。

  • 小学1・2年~
  • 2019年11月1日初版
  • 定価1,210円 (本体1,100円+税10%)
  • 立ち読み
  • 重版未定