2019.10.01

<新刊紹介>どんぐりがもっと好きになる!『ぽっとん ころころ どんぐり』

足元にかわいいどんぐりを見つけることが少しずつ増えてきました。
子どもたちにとっては秋の大きな楽しみですね。
今日ご紹介するのは、どんぐりのいろいろな姿に出会える絵本『ぽっとん ころころ どんぐり』です。

主人公はくぬぎ。
冬空に向かって、はだかんぼうで立っています。

それから季節はめぐり……春、くぬぎは黄色の花をつけます。
夏には青々とした葉が茂り、幹にのこぎりくわがたやかなぶんなどの昆虫たちが集います。
足元を見ているだけでは知らずにいる、さまざまなくぬぎの姿。

どんぐりのもじゃもじゃしたおわん(殻斗・かくと)は、夏にはもう枝の上で準備をしているのです。
その中のどんぐりがやがて大きくなり、緑から茶色に変わって……。

そして、秋!
ついにどんぐりが落ちました。
しらかし、まてばしい、すだじい、くりなど、いろいろなどんぐりの仲間が大集合。
どんぐりが大好きな動物たちも集まってきました。

寒い冬を越えて、春になると、どんぐりからあたらしい命が芽生えます。


「ぽっとん」と私たちの足元に落ちてくるその前や後、どんぐりはどんな姿だったのか。
くぬぎの1年をとおして、どんぐりのすべてにふれられる1冊です。

手を伸ばせばさわれそうな、ぷっくりつやつやのどんぐりは、いわさゆうこさんがパステルや色鉛筆などを使って淡い色から何度も塗り重ね、丹念に描き出しました。
一口にどんぐりと言っても、色も形も、殻斗も個性豊かであることに気づかされます。

「ぽとぽと ぽっとん ぽっとん ころころ」といったリズミカルな音も楽しく、図鑑を読む前の2、3歳くらいから読むことができます。

ページからころころとおどり出てきそうなどんぐりたち。
この秋のどんぐり集めがもっと楽しくなる1冊です。

(いわさゆうこ・さく)


ぽっとん ころころ どんぐり

単行本絵本

ぽっとん ころころ どんぐり

いわさゆうこ さく

寒い冬、はだかんぼうでたっているくぬぎの木。でもね、ぽかぽかの春になると、花をつけてまっきいろに大へんしん! 夏は……?
くぬぎのどんぐりがどうやってうまれ、新しい木に育つのか、絵本ならではの迫力ある構図や展開で描かれています。
ぽとぽとぽっとん、ぽっとんころころ……など、楽しい音とともに、様ざまな種類のどんぐりや、木や実に集まる動物たちも登場。巻末ではどんぐりクッキーの作り方や、遊びも紹介!

「どんぐりちゃんをつくってあそぼう」シートができました。
ぬりえしたり、顔をつくったり、お面にしたり……自由につかって遊んでみてね!

  • 4・5歳~
  • 2019年8月30日初版
  • 定価1,320円 (本体1,200円+税10%)
  • 立ち読み