2019.09.12

〈新刊絵本〉『おつきさま ひとつずつ』

そろそろお月見の季節。
特に月が美しく見える中秋の名月「十五夜」は、今年は明日9月13日(金)です。

今日は『おかあさんがおかあさんになった日』などのロングセラー絵本で知られる長野ヒデ子さんの、お月さまをテーマにした新刊絵本をご紹介します。

小さいあこちゃんは、お母さんと手をつないで家へ帰ります。


「わあ! おかあさん、おつきさまだよ」
「おつきさま きれいね」

「おかあさん、おつきさまが ついてくるよ」
「あこちゃんが大好きなのかもよ?」


「ふーん……ねえ おかあさん、
 南極にも おつきさま あるの?」
「あるわよ」

「アフリカにも おつきさま ある?」
「あるよ」……

知っている他の国々にも、みんなお月さまがあることを知って安心したあこちゃん。

「おつきさま みーんなに ひとつずつ あって、よかったね」

最後には、家族みんなで、お月さまに「おやすみなさい」。
穏やかな月の光に安心して読み終わることができます。

お嬢さんとの実際のエピソードが元になったというこの絵本。
著者の長野ヒデ子さんの言葉を紹介します。



お月さまと、大事なあなたへ

まんまるお月さまを、幼い日の娘と眺めたあの日を思い出し絵本を作りました。
「みんなひとつずつあって、よかったね」と言った娘。
お月さまがどこからでも眺められるというのなく、
みんなにひとつずつある、という子どもの感性に心が震えました。
お月さまや自然の偉大なものは独り占めしてはいけないこと、どんな人にも「みーんな ひとつずつある」このことはすべての原点だと思いました。
幼い子からもらったこの宝物のような言葉を、私はずうっと大事に抱いていました。

長野ヒデ子





お月さまがやさしく見守る中、親子の会話と想像が広がっていく、心あたたまるおはなし絵本です。
ぜひ、これからの秋の季節、おやすみ前にぜひお子様とお楽しみください。
28ページ、3歳から。

(長野ヒデ子・作)
おつきさま ひとつずつ

童心社のおはなしえほん

おつきさま ひとつずつ

長野ヒデ子

ぽっかり月がでています。小さいあこちゃんは、おかあさんと手をつないでかえります。「おかあさん、おつきさまがついてくるよ」「そうよ。おつきさまは、あこちゃんがだいすきだからよ」「ねえおかあさん、アフリカにもおつきさまある?」「あるわよ」「イギリスにもある?」「あるよ」「おつきさまがみーんなにひとつずつあって、よかったね」あこちゃんは安心して、お家にかえりつきました。
心にのこる月夜のおはなしです。

  • 3歳~
  • 2019年9月1日初版
  • 定価1,430円 (本体1,300円+税10%)
  • 立ち読み